妊娠初期に体を冷やしてしまった！胎児への影響は？正しい冷え対策も

妊娠初期なのに体を冷やしちゃった…。
お腹の赤ちゃんは大丈夫？

妊娠中に体を冷やすとどうなるのか、お医者さんに聞きました。
冷えた体の温め方や、やってはいけない温め方もご紹介いたします。

監修者

石野医院

副院長
石野 博嗣 先生

経歴

1999年　日本医科大学産婦人科教室入局　日本医科大学付属病院　産婦人科研修医
2001年　国立横須賀病院（現 横須賀市立うわまち病院） 産婦人科
2002年　東京都保健医療公社　東部地域病院　婦人科
2003年　日本医科大学付属病院　女性診療科・産科 助手代理
2004年　日本医科大学付属第二病院　女性診療科・産科　助手
現在　石野医院の副院長

妊娠初期に「体を冷やしてしまった！」赤ちゃんは大丈夫？

今、妊娠初期です。薄着をしてつい体を冷やしてしまいました。
冷えはよくないと聞いて心配です。お腹の赤ちゃんは大丈夫でしょうか…？

一時的に手足が冷えている程度であれば、問題ないことが多いです。
ただし、長期的に体を冷やすことは、胎児にも母体にも良くありません。
妊娠中は、できるだけ体を冷やさないように心がけましょう。

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体を冷やすと母体や赤ちゃんにどんな影響がある？

体が冷えてしまうと、母体の免疫力が低下して、感染症などにかかりやすくなります。
感染症にかかると、場合によってはお腹の赤ちゃんにも感染して、流産や早産の原因となることがあります。

また、慢性的な冷えは肩こりや腰痛につながり、血行不良を引き起こします。
血流が悪くなると、赤ちゃんに栄養が運ばれにくくなるため、栄養状態が悪化するリスクがあります。

「体の冷え」に注意すべき状況

• 長時間クーラーのききすぎた部屋にいる
• 寒いところにいて足先が冷える

などの状況は、体を芯から冷やします。

もし、このような状況下で「手足が冷えて動かしにくい」「冷えて体が動かしにくい」と感じる場合は、すぐに温かい場所に移動しましょう。

妊婦さん向け「冷える日の体の温め方」

①　温かい飲み物を飲む

• ノンカフェインのお茶
• 白湯

など、温かい飲み物を飲みましょう。

温かいものを飲むと、内臓の温度が上昇して血液の循環が促進され、冷えの改善につながります。

②　厚着をする

冷えた場所に長時間いるときは、厚着しましょう。
特に、手首・足首・首回りなどは大きな血管が通っているので、この部分を冷やさない服装を心がけると、体が冷えにくくなります。

その他、カーディガンやひざ掛けなど、常に持ち歩くようにするといいですね。

③入浴する

38〜39度くらいのお湯に15分ほど浸かりましょう。
少しぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがポイントです。血行が良い状態が長く作用すると考えられます。

熱すぎるお湯だと肌の表面ばかりが温まり、体の芯までは温まりません。

④エアコン・暖房器具を使う

寒い時期は、20℃くらい に設定したエアコンで部屋全体を暖めましょう。
足元が冷える場合は、ヒーターも併用してください。

⑤　体を動かす習慣をつける

• ストレッチ
• ヨガ
• ウォーキング

など、軽めの運動を日課にしましょう。少し体がポカポカする程度でおこなってください。

体を動かすと、血流が良くなって体の中から温まります。運動を習慣にすると基礎体温も上がり、体調も崩れにくくなります。

ただし、妊娠中は体調を一番に考えて、無理をしない程度にしてください。

気をつけて！こんな温め方はNG

• 肌に直接、暖房器具やヒーターを当てる
• カイロをお腹周りにたくさん貼る
• お腹がきつくなるような厚着をする
• エアコンで部屋の温度を過剰に高くする
• 熱い湯船に長時間浸かる

暖房器具やカイロを直接肌に当てると、やけどや低温やけどのリスクが生じます。

また、きついタイツなどで厚着をすると血行不良になり、母体にも赤ちゃんにも良くありません。

過度にエアコンで部屋を暖めたり、熱い湯船に長時間浸かったりすると、のぼせや脱水の原因となります。
エアコンやお風呂の設定温度は、適温を心がけましょう（冬場のエアコンは20度程度、お風呂は38〜39度程度）。