乳歯の一部が白いのは虫歯?放っておくとどうなる?歯医者に行く目安は?
公開日:2021-09-07
| 更新日:2022-11-16
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「乳歯の一部が白いのだけど…」
もしかすると、それは初期の虫歯かもしれません。
乳歯の一部が白くなる原因やご家庭でできる対処法について、歯医者さんに聞きました。
乳歯の一部が白いのは「初期の虫歯」かも

子どもの乳歯の一部が白いのですが…これは虫歯なのでしょうか?

歯の一部が白くなっている場合、その多くが初期の虫歯です。
食べかすや歯垢であれば、歯ブラシなどで擦ると白いものは取れます。
虫歯になって歯の一部が白くなっていると、道具で擦っても、取ることはできません。
虫歯で乳歯の一部が白くなるのはなぜ?
白い部分は、虫歯菌が増殖して歯に貼り付き、エナメル質を溶かしている部分です。歯の表面が虫歯菌の酸で溶かされたことにより、白く変色しているのです。
虫歯以外の可能性は?
虫歯以外にも、乳歯が白くなる原因として、
などが考えられます。
それぞれ解説していきます。
原因① エナメル質形成不全
エナメル質形成不全とは、生まれつき歯が正常に作られない病気です。
白や薄茶色などの変色だけでなく、歯が欠けている場合もあります。その部分はエナメル質が弱いので、虫歯などになりやすくなります。
\「初期虫歯」と「エナメル質形成不全」の見た目の違い/
「エナメル質形成不全」は、歯が生えたときから他の歯と色が違うのが特徴です。
「虫歯」の場合は、生えてきたときには白かった歯が虫歯菌に侵されて変色します。
原因② フッ素症
フッ素症とは、歯のエナメル質が再石灰化する際に大量のフッ素を取り込むと起きる歯の形成不全です。
歯に白っぽい部分と茶色っぽい部分ができたり、まだら模様になったりします。
フッ素の過剰摂取が起きていると発症する病気なので、日本では一般的ではありません。
フッ素は、虫歯予防に使用する分には極めて安全で歯を強化してくれるものですが、摂取しすぎると歯や体に害を及ぼします。これが歯に出るのがフッ素症です。
フッ素症は、フッ素を長期的に体に取り込むと発症します。多くの場合、海外のインド、中国などの一部の飲料水に配合されており、摂取を続けると発症することがあります。このような背景で発症する病気ですので、日本では極めて稀と言えます。
仕上げ磨きにフッ素ジェルを使っています…。
子どもがフッ素症になる心配はありますか?

通常、フッ素を歯に塗布しても、うがいで吐き出すので、過剰な摂取になることはまずありません。
赤ちゃん用のうがいが不要なタイプのフッ素でも、容量を守って使用すれば問題ありません。
\初期の虫歯との見た目の違い/
虫歯:歯と歯の隙間や歯茎との境目にできやすい
フッ素症:歯全体に変色などの異常が出てくる
また、フッ素症は虫歯のように特定の歯の変色だけでなく、口の中の歯全体に異常が出てきます。
“白い虫歯”を放置すると…どうなる?
白い状態の原因が虫歯であった場合、虫歯は進行を続けて色が茶色から黒へ移行していきます。歯も溶かされ、内部に大きく虫歯が入り込むと乳歯も痛みを感じるようになります。
エナメル質形成不全の場合も、虫歯になりやすくなっています。乳歯は虫歯になると進行が早いため、早め早めの対処が必要です。
いずれ抜けるし…「乳歯の虫歯なら放置しても大丈夫?」
乳歯の虫歯は、神経を通って下で育っている永久歯に伝わります。
乳歯の虫歯は、放置すれば大人の歯のようにボロボロになって抜けてしまいます。しかし、「これから大人の歯が生えてくるから大丈夫」というのは間違っています。
育成途中の永久歯が虫歯菌によって侵されると、形の異常や色の異常(茶色など)を起こしてしまいます。
乳歯の虫歯の進行を止めるには?

乳歯の虫歯の進行を止めるために、自宅でできる対処法はありますか?

初期虫歯は、歯の石灰化によって自然治癒することもあります。
この場合、自宅での
が有効です。
それぞれ解説していきます。
対処法① 毎日の歯磨き
初期虫歯の場合、毎日しっかり丁寧に歯磨きをすれば進行を止められます。
食後、また寝る前には、必ず仕上げ磨きを行いましょう。
対処法② 食生活の見直し
食事は決まった時間に食べさせ、おやつも時間を決めて与えましょう。
また、砂糖の多いものは虫歯を進行させます。なるべく砂糖の少ないものを選び、食べ物を取った後は歯磨きをさせましょう。
歯の石灰化は、食事と食事の合間に行われます。食べ物が口に入っている時間が長いと、この石灰化がうまくいきません。だらだらと長時間口に物を入れないように注意しましょう。
対処法③ フッ素を塗布する
フッ素は虫歯の菌の働きを弱め、歯のエナメル質を強化してくれます。初期の虫歯であれば、進行を止めるのに有効です。
フッ素塗布は毎日の自宅でのケアで取り入れられます。市販品を使用する場合は、フッ素中毒防止のためにも表示をよく確認し、年齢にあったものを使用してください。
\歯医者でフッ素塗布を行うメリット/
歯科でのフッ素塗布は、口の中全体を歯科医がチェックしながら行います。
塗りもれがなく、しっかりと塗布できるメリットがあります。
歯医者に行く目安は?
今まで白くなかった部分に白い部分を発見したら、躊躇せずに歯科を受診しましょう。
早めの受診をおすすめする理由
白い部分は虫歯でも初期の可能性が高いです。
早くに治療を始められたら、通常、痛みもありません。また、軽いものであれば、歯磨きやフッ素によるケアだけで良くなることもあります。
放置すれば必ず虫歯は進行するので早期受診をおすすめします。
治療が遅くなってしまうと…
虫歯が進行し、永久歯にまで悪影響が及ぶリスクが高くなります。また、痛みが出てしまうと小さな子どもが歯科で治療を受けるのは苦痛を伴います。早い段階で楽に済む治療を受けましょう。
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歯医者ではどんな治療が受けられる?

乳歯が虫歯で白くなっている場合、歯医者さんではどんな治療が受けられますか?

初期の虫歯であれば、
といった治療の選択肢があります。
それぞれ解説していきます。
MIペースト
MIペーストとは、牛乳由来で、歯にリン、カルシウムを補給して虫歯を予防する薬用ペーストです。また、酸性に傾いている口の中を中和してくれるので、虫歯ができにくい状態が長続きします。
MIペーストは市販されています。歯医者で指導を受けて自宅で実践してください。塗布する手順は以下の通りです。
MIペーストを塗布する手順
- 歯磨き、うがいの後に歯に塗布する
- 塗布したら3分間、唾液を吐き出さない
- 30分間は飲食を控える(唾液は吐き出してもよい)
- 最後にうがいをする
子どもが一人で上記の手順を実践できるようになるまでは、使用が難しいです。また、牛乳・乳製品のアレルギーがあると使用できません。
\費用はいくら?/
MIペーストは、1,000〜円程度で購入できます。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは、虫歯の部分を少し削り、コンポジットレジンという素材を穴が開いた部分に詰めて、自然な白さにできる治療です。虫歯の部分を治療してから使用します。
\費用はいくら?/
虫歯であれば、保険適用で3,000円程度の治療費です。子どもの乳児医療証があればさらに価格を抑えられる場合があります。
子どもが歯医者さんで暴れないか心配…
子どもが歯医者さんの治療で暴れないか心配です…

虫歯は怖いものですが、虫歯を治してくれるお医者さんは怖いところではありません。
基本的に、早期治療ができれば痛みもほぼありません。
ぜひ、歯医者嫌いにならないように虫歯が出てくる前から、検診やフッ素塗布などで歯科医に通って子どもを慣れさせてあげてください。
\口を開ける遊びをしておくのもおすすめ/
口を開けるのに慣れておらず、苦手という子どももいます。口を開ける練習を毎日の遊びの中に入れると、歯科でもスムーズに口を開けてくれるのでおすすめです。
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