妊娠初期に茶色い少量の出血が…大丈夫？流産の危険性は？

妊娠初期に少量の茶色い出血が…。
流産の危険性はある？

「妊娠初期の出血」についてお医者さんに聞いてみました。
流産が疑われるケース、考えられる他の原因なども詳しく解説します。

監修者

石野医院

副院長
石野 博嗣 先生

経歴

1999年　日本医科大学産婦人科教室入局　日本医科大学付属病院　産婦人科研修医
2001年　国立横須賀病院（現 横須賀市立うわまち病院） 産婦人科
2002年　東京都保健医療公社　東部地域病院　婦人科
2003年　日本医科大学付属病院　女性診療科・産科 助手代理
2004年　日本医科大学付属第二病院　女性診療科・産科　助手
現在　石野医院の副院長

妊娠初期に「少量の茶色の出血」が…大丈夫？

妊娠初期に少量の茶色い出血があっても、それ以上出血がないようであれば、心配いらないケースが多いです。

妊娠中に、少量の出血が起きることはよくあります。
「茶色の出血」は、子宮内で起きた少量の出血がしばらく経ってから出てきたものであることが多いです。
ただし、問題があるかどうかを判断するためにも、出血があった場合は一度病院を受診して診察を受けておきましょう。

ただし、こんな症状があったら注意！

茶色い出血だけではなく腹痛・下腹部痛を伴うときは注意が必要です。
そのままにせず、医療機関を受診してください。 

また、少しずつでも出血量が増えている場合は、「切迫流産」「流産」などの疑いがあります。

「流産の疑いがある」出血の特徴

茶色の出血量が増えていて、下腹部の痛みが強くなっている場合は、流産の疑いがあります。

すぐに医療機関へ連絡を入れて指示に従ってください。

通常、診察が必要となるので、受診準備を行い医療機関へ向かいましょう。

切迫流産は早期の対応が重要

切迫流産の場合は、早期対応で妊娠が継続できることもあります。

ただし、医師の判断があるまでは安静が基本です。

「流産以外」の出血の原因

妊娠初期に「少量の茶色の出血」がある場合、流産以外には以下のような原因の可能性があります。

1.着床出血のケース

妊娠するために受精卵が子宮内膜に根っこを生やすために起きる少量の出血です。

着床出血であれば、出血量が増えることはありません。

着床出血は、妊娠に伴って起きる出血なので過剰に心配はいりません。
※なお、着床出血は、妊娠する方全員に起きるものではありません。

着床出血が起きない方もいます。

着床出血の特徴は？

少しの腹痛を感じる人もいます。
しかし、着床出血の場合、腹痛は軽く、出血も少量です。

痛みや出血が増えることはありません。

どう対処すべき？

着床出血であれば、すぐに痛みも出血も終わるので、安静にしていましょう。

ただし、何らかの異常の可能性が全くないわけではありません。

心配を抱えないように、一度かかりつけの医療機関を受診することをおすすめします。

2.子宮の入り口からの出血のケース

妊娠すると血液量が増加し、子宮の入り口から出血することがあります。

過剰に心配する必要はありません。

妊娠中は、今までなんともなかった刺激で出血することが多くなります。

症状の特徴は？

妊娠中に起こる子宮の入り口からの出血では、腹痛を伴いません。

出血量は「茶色の出血が1回のティッシュの拭き取りで収まる程度」または「おりものシートをつけておけば問題ない程度」です。

どう対処したらいい？

出血が増えなければ安静にしておきましょう。

ただし、何らかの異常の可能性がないわけではありません。
心配を抱えないように、一度かかりつけの医療機関を受診することをお勧めします。

3.子宮外妊娠のケース

子宮外妊娠により卵管が破裂して出血することがあります。
ただ、子宮外妊娠ならではの特徴的な自覚症状はほとんどありません。

出血の原因が子宮外妊娠だった場合、妊娠継続に影響を与えます。

症状の特徴は？

出血量が少量のままの場合もありますが、出血量が増えて腹痛などを伴うこともあります。
子宮外妊娠により「卵管流産」や「卵管破裂」が引き起こされた場合は、非常に強い腹痛が起こります。 

どう対処したらいい？

出血の原因が子宮外妊娠だった場合、妊娠の継続に影響があります。

医療機関での処置が必要です。

早急にかかりつけの医療機関を受診しましょう。

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出血があったら、必ず病院へ！

初めての出血の場合は、どの場合でも一度は診察を受けるようにしましょう。

もし何らかの問題がある出血で、その状態を放置してしまった場合は、入院や手術が必要になることもあります。また、妊娠継続ができなくなるリスクもあります。

病院に行くまでにしておくことは？

医療機関を受診するまでは、安静にして、体を冷やさない・酷使しないようにしてください。
また、自己判断で薬を使用しないようにしてください。

切迫流産の場合は入院治療となることもありますが、入院などの準備は後でも行えます。
まずは、ご自分の体調を第一に考えて、安静にしましょう。

出産のための用意がすでにしてあれば、その入院準備を持っていきましょう。

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