「乳歯に虫歯の穴があいた」ときの対処。放置しちゃダメ？治療方法も【歯科医監修】

「乳歯に穴が開いているかも…」
「痛いといってないし…乳歯はいずれ生え変わるから、放置しても大丈夫？」

乳歯に穴があいた場合について、歯科医師に聞きました。
放置はNG！永久歯に影響も…！

乳歯に「穴が開く！？」

虫歯菌が歯を溶かしていき、進行すると歯に穴が開きます。

虫歯菌は、歯垢（食べ物のカス）を餌にして増殖して酸を出し、歯を溶かしていきます。乳歯は、永久歯に比べて柔らかいので特に虫歯が進行しやすいと言えます。

乳歯の虫歯の「見分け方」

虫歯といえば、「黒い」イメージがありますが、周りの歯に比べて「ベージュっぽい白」「灰色」というのも虫歯です。進行すると黒くなります。

乳歯の虫歯の「見た目以外の特徴」はある？

乳歯の虫歯は「痛みを感じない」場合が多く、虫歯が神経に到達しても1日程度で痛みが引いていきます。そのため、「見た目以外の特徴的な自覚症状があまり無い」場合が多いです。

ぜひ、パパやママが仕上げ磨きを行い、虫歯ができてきていないかをチェックしてください。

乳歯が「虫歯になりやすい箇所」は？

• 1～2歳頃まで：上下前歯の間、歯茎と歯の境
• 3歳頃まで：歯と歯の隙間、奥歯、奥歯の見えない部分

乳歯は3歳頃までに20本生え揃います。
「歯と歯の隙間」「奥歯」には特に虫歯ができやすいので、気にして磨く必要があります。

乳歯の虫歯は「気づかないまま進行しやすい」

乳歯はとても脆く柔らかいため虫歯になりやすく、進行も早いため「虫歯に気づくのが遅れる」場合が多くあります。

子どもの場合は、歯が小さく見つけにくい・口を開けるのを嫌がる・歯磨きを嫌がるといったことが重なり、ママ・パパが気づかないまま虫歯が進行しやすいのです。

乳歯の生え始めの３年間ほどは、歯がもろく柔らかい状態です。
特に「虫歯の予防」を丁寧に行いましょう。

乳歯の虫歯「放っておいても大丈夫？」

いずれ大人の歯に生え変わるから…歯医者さんに行かなくてもいいのでは？

それは大きな間違いです。
放置はしないで、歯科で治療を受けましょう。

乳歯の虫歯は「永久歯に与える影響」だけでなく、

• 顎の発達
• 食べ物の好き嫌いが増える
• 体の成長

などにも影響します。

永久歯に与える影響

乳歯の虫歯が根元まで進行すると、

• 永久歯の変色
• 永久歯の成長を妨げて永久歯が凹む

などの影響をもたらす可能性があります。

顎の発達・食べ物の好き嫌いが増える

乳歯の虫歯によって「歯に穴があいている状態」や「違和感・痛み」などがあると、うまく左右の顎を使って咀嚼ができなくなり、顎の発達に影響します。

顎の発達は、

• 話すときの発音が悪くなる
• 永久歯の歯並びが悪くなる

といったことにもつながります。

また、食べやすい物を選んで食べるようになり、偏食・食べ物の好き嫌いが増えることにもつながります。

また、虫歯が進行している場合は、麻酔を使用した治療が必要になり子どもへの負担も大きくなります。
早めに治療することで、治療時間や通院回数も少なくなります。

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「痛くない」けど、歯医者に行くべき？

穴が開いていますが、痛がってはいません…。
それでも歯医者さんに行ったほうがよいでしょうか？

はい、歯医者に行きましょう。

穴が開いているということは、虫歯菌が増殖して歯を溶かしています。それ以上進行させないように早急に治療が必要です。

放置すれば、将来的に様々な影響が出ることもあります。

乳歯の虫歯、どう治療するの？

レントゲンで虫歯の進行を確認し、その後、虫歯の部分を削ります。虫歯の部分が取り除けたら、薬を入れて、保護用の銀歯などを被せます。

穴があくほど進行している虫歯には、お子さんでも麻酔を使います。
最終段階までに数回の通院が必要になります。

麻酔は痛くない？

麻酔は、まず注射をする部分に表面麻酔をかけてから注射で行います。それでもチクッとした痛みや違和感があります。

暴れてしまうお子さんは、保護者の方や補助のスタッフで体を抑えさせてもらうこともあります。

「歯医者での治療を嫌がる」場合は…？

専門の医療機関で全身麻酔をかけて1日で治療を行うといったことも検討される場合もあります。

例えば、

• まだ小さくて通常の治療では危険を伴う
• 歯医者を極端に嫌がる
• 上を向いて口を開けるのが難しい

という場合に検討されます。

治療費の目安

保険適用で1回につき1000〜3000円程度の場合が多いです。

各自治体の医療補助が使える場合は自己負担額が変動します。

乳歯の虫歯は永久歯や、今後の成長にも影響します。
乳歯に穴が開いてしまったら、すぐに歯医者を受診しましょう。

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