もくじ
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「妊娠初期に温泉に入ってしまった…」
「これって大丈夫…赤ちゃんに影響はない?」
妊娠初期に温泉・サウナ・岩盤浴に入ったときの赤ちゃんへの影響についてお医者さんに聞いてみました。
温泉に入る前に確認したいポイントや温泉旅行での注意点も紹介します。
1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
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温泉浴は妊婦に何らかの悪影響を与えるものではありません。
温泉によっては、心臓病、腎不全、高度貧血など重症度の高い疾病を持っている患者は入浴ができません。
悪影響を及ぼすと考えられているのは、「温泉は何らかの急性の体調不良を起こしやすい」と考えられているためであって、直接妊娠に影響する温泉成分があるわけではありません。
これまで温泉に入浴してはいけない症状を示した「禁忌症」には「妊婦」の項目がありました。
しかし妊婦の温泉浴が「禁忌」であるという科学的根拠が認められないことから、2014年度に法改正があり、妊婦の温泉は禁忌という項目も削除されました。
そのため、妊娠の進行時期に関わらず、妊婦の方も温泉は入浴可能なのです。
「体調が不安定」、「貧血の症状が出ている」などの場合は、安定するまで高温のお湯や、慣れない場所での入浴、遠出の旅行などは避けたほうが賢明です。
特に温泉や温泉施設に限らず、銭湯、大浴場を兼ね備えた施設などは、滑りやすいので妊娠している方は注意してください。
サウナは汗をたくさんかくので、脱水症状が心配です。脱水で血栓が起こりやすいというリスクもあります。
サウナと妊娠に関してはエビデンスも無いため、あえて妊娠中に入ることはおすすめしません。
サウナは入浴場にあるので、床が滑りやすいという点も気をつけてほしい部分です。
外気との温度差も激しく、血圧変化も気になるところです。
岩盤浴と妊娠に関してもエビデンスが無く、施設によっては、妊娠中に利用できないところが多いです。
温泉に入浴すること自体が、流産のリスクを高めるということはありません。
ただし、入浴施設での転倒は「早期剥離」や「切迫早産」の引き金となるリスクがあるので、十分な配慮が必要です。
温泉浴そのものが感染の原因になることはないと考えられます。
温泉に入浴することが、外陰や腟、子宮の感染を助長するというエビデンスはありません。
ただし、毛じらみの感染については、温泉に限ったことではなく、脱衣場のタオルやカゴなど共有のもので感染することもあるので、注意が必要です。
前述したように、妊娠の時期に関わらず、妊婦の方も温泉は入浴可能です。
ただ、
は下記の理由から温泉を控えた方がよいでしょう。
「妊娠後期」はお腹が大きく、転倒リスクが高まるため控えましょう。
「臨月の時期」はいつ出産してもおかしくないので控えた方がよいでしょう。
また、妊娠の時期に限らず貧血、体調が思わしくない状態では、温泉や入浴施設での入浴は避けた方がよいでしょう。貧血による転倒のリスクがあります。
妊娠中に温泉に入るときは、
の3つに気をつけましょう。
これらのリスクを避けるため、滑りやすそうな床は避けるようにしましょう。
長い入浴によって温まった体を冷まそうと、体を冷やしてしまいがちです。
体を冷やさないように注意しましょう。
冷えは妊娠に悪影響を及ぼし、腹部の張りを起こすリスクがあります。
温まったらすぐに衣類を着用して、髪を乾かし、気温の安定した場所で休みましょう。
水分摂取も行なってください。
「せっかく旅行に来たから」、「温泉に来たから」といって無理をしてしまうと、体調不良を悪化させてしまうこともあります。
体調不良は、妊婦さんの体からのサインです。
体調が悪い時に温泉施設で無理をして、貧血を起こして転倒してしまう人もいます。
体調が悪いときは、まずは安静にするようにしましょう。
こんなときは、温泉を控えましょう
などの場合は、温泉を控えましょう。
個人差はありますが、安定している場合、妊娠5~7カ月(妊娠16週から27週)くらいが、リフレッシュの外出によいでしょう(※)。
※主治医の許可を得ることが前提です。
妊娠中の遠出は、かかりつけ医との連絡も難しくなり、何かあってもすぐに診察を受けることが難しくなります。
何かあった時に診察が受けられる程度の距離にしておきましょう。
また、妊娠中は血栓ができやすいので、エコノミー症候群になるリスクがあります。
ずっと同じ姿勢にならないように注意しましょう。
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