妊娠中「陰部のかゆみ」が治らない…赤ちゃんは大丈夫？危険な症状との見分け方

妊娠中、陰部のかゆみが治らない…
赤ちゃんは大丈夫？ 

「妊娠中に陰部のかゆみが治らない」原因について、お医者さんに聞きました。

原因別の適切な対応の仕方や病院を受診する目安も解説します。

監修者

石野医院

副院長
石野 博嗣 先生

経歴

1999年　日本医科大学産婦人科教室入局　日本医科大学付属病院　産婦人科研修医
2001年　国立横須賀病院（現 横須賀市立うわまち病院） 産婦人科
2002年　東京都保健医療公社　東部地域病院　婦人科
2003年　日本医科大学付属病院　女性診療科・産科 助手代理
2004年　日本医科大学付属第二病院　女性診療科・産科　助手
現在　石野医院の副院長

なぜ？妊娠中に陰部のかゆみが治らない…

妊娠中ですが、陰部のかゆみが治りません…。なぜでしょうか？

妊娠によるホルモンバランスの変化で、かゆみを引き起こしている場合が多いです。
ホルモンバランスが変わると、免疫が低下して、膣の自浄作用も弱くなります。そのためちょっとした刺激でかゆみが起こりやすくなります。

このとき、

• おりもの
• 下着などで擦れてしまう

といったことから外陰部が炎症を起こし、かゆみを発症しているおそれがあります。

「ホルモンバランスの変化」によるかゆみの特徴

外陰部にかゆみを感じます。皮膚自体が炎症を起こしているので、洗ってもかゆみは取れません。

また、デリケートゾーンの洗浄が足りていない、蒸れているなどの場合に、かゆみを引き起こすことが多いです。

「ホルモンバランスの変化」によるかゆみ、どうすれば？

　皮膚の治療薬（ステロイド配合薬）を使うとよいでしょう。

ドラッグストアなどで購入する場合は、薬剤師や登録販売者と相談して選ぶようにしましょう。

洗いすぎは皮膚の傷を広げることがあります。洗いすぎに注意して、優しく洗浄しましょう。また、おりものシートはこまめに替えるなど、清潔に保ちましょう。

「性器カンジタ症」が原因のケースも

カンジダ菌に感染し、炎症を起こすことで、陰部にかゆみを生じることがあります。

妊娠中は免疫力が低下しやすいため、性器カンジダ症を発症するリスクが高くなります。

かゆみの特徴

陰部に強いかゆみが起こります。おりものが、白いヨーグルト状になったり、かたまりになったりします。

性器カンジダ症かも、どうすれば？

医療機関を受診し、治療を受けましょう。

性器カンジダ症を発症しても、胎児への影響はあまりありません。

ただし、出産の際に胎児は産道を通って出てくるので、妊婦さんが性器カンジダ症を治療しないまま出産すると、赤ちゃんがカンジダ菌に感染するリスクがあります。

赤ちゃんがカンジダ菌に感染すると、鵞口瘡（がこうそう）といって、口腔に白いカスのようなものが発生したり、カンジダ皮膚炎によるかぶれなどの症状を起こしたりすることがあります。

性器カンジタ症の症状があるときは、健診を待たずに産婦人科へ

性交渉後、数日経ってもかゆみが治らない場合は、性器カンジタ症の疑いが強いので、妊婦健診まで待たずにすぐ受診しましょう。

医師の診療を受け、完治するように治療しましょう。

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