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夏に子どもの患者が増える「とびひ(正式病名:伝染性膿痂疹)」。
中には1ヶ月~半年以上症状が続き、「なかなか治らなくて心配…」とお悩みになるママ・パパもいるようです。
この記事では小田原銀座クリニックの長谷川先生に、赤ちゃんや幼児のとびひが治らない原因や、早く治すために日常生活で気をつけることを聞きました。
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
学会、大学病院、研究施設などへのアプローチ発表など、常に手を尽くして研究を行っている。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
「なぜ治らないんだろう?」とお悩みのママ・パパに。まずはとびひが長引く原因を聞いてみました。
まずは、医師に処方してもらった、症状に見合った薬を、処方通りに使用できているか確認しましょう。薬が患部に塗れていなかったり、塗り忘れがあったりすると「とびひ」は、字のごとくどんどん飛び火します。薬は、丁寧に塗りましょう。
かゆい…。痛そう…。早く治してあげるため、これ以上悪化されないために、ママ・パパが具体的にどんなことができるのでしょうか?
とびひは、患部の水疱や膿痂疹(じゅくじゅくした部分)に細菌が入っています。水ぶくれが破れ、中の液が染み出て、傷ついた周りの皮膚に触れるとそこに新しい水疱・膿痂疹ができます。その部分がしっかり薬で覆われていないのが原因で、とびひは良くならない場合があります。
毎日、お風呂に入って細菌を洗い流す必要があります。とびひにしみる・痛みがあるからといって、子どもが入浴したがらないケースもありますが、清潔にすれば早く快方に向かいますので、保護者の方が入浴しているか確認しましょう。
とびひはとてもかゆいのですが、患部をかくとどんどん広がり、肌の状態も悪化します。できるだけ触らないように、無意識に掻かないようにガーゼや包帯で保護をしておきましょう。
また運動や長時間の入浴でもかゆみが増すことがあります。激しい運動や長時間の入浴は控えましょう。かゆみが強い場合には冷やしてあげる事で症状を和らげられます。
市販薬を自己判断で使用していると適したものではなく、快方に向かいにくい場合があります。市販薬のかゆみどめにはステロイドが入っている場合があり、細菌感染の場合は悪化の原因にもなります。
また、病院の処方薬でも、改善が悪いと判断されれば、細菌培養の検査を行い抗生剤を見直します。症状の改善が見られない場合は、小児科を受診してください。
体の一部だけが治らない場合の対処法や、アトピーを併発している場合の治療法を聞きました。
頭は髪の毛があり細菌が繁殖しやすい環境です。また、汗をかきやすく、薬が流れてしまうことも多くあります。こまめにシャワー・石鹸で頭を洗い、細菌が繁殖しないようにしましょう。
頭のとびひと同様、細菌が繁殖しやすい環境です。また、常に湿っているので治りにくい場合があります。鼻の中のとびひも、内服薬を忘れずに飲み、丁寧に薬を塗って、かいたり、触ったりしないようにしてください。
大きなものは、小児科や皮膚科で内容物を出して早く治癒するように治療を受けられます。病院を受診してみましょう。
なかなか治らない場合、「もしかして…とびひじゃない別の病気?」と心配になってしまうママ・パパも少なくないようです。
高熱・皮膚の腫れ・水ぶくれの症状が現れる病気です。猛烈な痛みが生じます。多くが入院しての治療が必要となります。
とびひは、基本的に表皮だけの疾患ですが、色素沈着する場合もあるので、子どもの将来の皮膚状態のためにも、早期治療を受けましょう。菌を薬で退治しておけば、この病気は予防することができます。早めに小児科に相談を。
アトピー性皮膚炎にとびひが合併すると、敗血症(細菌が血液中に入り込む)により、高熱や重症の状態になる場合があります。皮膚に違和感があればすぐに病院を受診し治療を受けましょう。
参考
保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)(案)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/0000199015.pdf
皮膚科Q&A|公益社団法人日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa13/index.html
公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A とびひ
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa13/index.html
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