妊娠初期に歯が痛い…歯医者に行くべき？つわりで歯磨きができないときは？

妊娠中だけど歯が痛い！
歯医者に行ってもいいの？

妊娠中の歯の痛みについて、原因や対処法を歯医者さんに聞きました！
セルフケアの方法やつわり中でも気持ち悪くなりにくい歯磨き法もご紹介します。

妊娠初期「健康な歯が痛くなる」ことがある

妊娠初期は、ホルモンバランスが変化する影響で、歯茎が腫れやすくなります。
その影響で神経が刺激されて、虫歯のような痛みを感じたり、歯痛を感じたりすることがあります。
妊娠中に特有のこのような歯の痛みは、妊娠性歯痛と呼ばれます。

妊娠性歯痛は、「ズキズキする」、「噛むと痛む」、「触ると痛い」などの特徴があります。
虫歯ではないのに一時的に痛くなっている状態なので、心配する必要はありません。妊娠中期ごろ（妊娠5〜6ヶ月ころ）に自然と痛くなくなっていくことが多いです。

痛みを軽減するには、ズキズキする部分を冷やすと良いでしょう。
また、体を温めるような運動は避けて安静に過ごしてください。

妊娠すると「虫歯になりやすくなる」

妊娠中は虫歯になりやすくなるので注意が必要です。

妊娠で食べ物の好みが変わり、酸っぱいものを好むようになると、口の中が酸性に傾き、虫歯ができやすくなります。

また、つわりの影響で歯磨きができないことで、虫歯が急激に進行することもあります。

虫歯が進行すると、「冷たいものがしみる」、「ズキズキと痛む」といった症状が出るようになります。

痛みがあるときに我慢するのはつらいことです。妊娠していても行える治療はあるので、歯科に相談しましょう。

妊娠初期の歯痛の2大原因

妊娠初期の「歯の痛み」の原因は、

• 虫歯
• 妊娠性歯肉炎

などが考えられます。

それぞれ解説していきます。

原因①　虫歯

妊娠中は、つわりや食べ物の嗜好が変わるなどして、虫歯ができやすくなり、進行もしやすくなります。

冷たいものがしみる、ズキズキした痛みがある場合は、虫歯の可能性が高いです。
歯科を受診して検査・治療を受けましょう。

原因➁　妊娠性歯肉炎（歯茎の炎症）

妊娠すると、ホルモンバランスの影響で、歯茎に腫れや出血が起きやすくなることがあります。

この状態は、「妊娠性歯肉炎」とも呼ばれます。前歯の周囲に発症する人が多いです。

歯肉炎は軽い炎症なので、ブラッシングを丁寧に行うことで、比較的早く落ちつくことが多いです。

ブラッシングの他に、フロスやデンタルリンスなども使用して口の中を清潔に保ちましょう。

腫れや出血が重くつらい場合は、歯科に相談しましょう。

歯の痛みを和らげる方法

歯が痛いときは、腫れている部分を冷やしましょう。
保冷剤にハンカチなどを巻き、頬の外側からあてて冷やします。
また、手の親指と人差し指の間にある合谷（ごうこく）と呼ばれるツボが、歯痛に効くとされています。
揉んだり、プッシュしてみましょう。

※妊娠中にツボ押しをして、気分がすぐれないなどの異変を感じた場合は、すぐにやめてください。

やってはいけない対処

長時間、患部を冷やし続けるのはNGです。
皮膚が凍傷を起こすことがあるのでやめましょう。

冷やす時間は約5分程度にとどめてください。

一度離して、それでもまだ痛む場合は、再度冷やします。

痛くてつらい…「痛み止めの薬は使える？」

胎児に影響が出る可能性がある市販薬も多くあります。
使用可能な薬もありますが、かかりつけの産婦人科や歯科医師に事前に確認しておきましょう。

妊婦さんでも使えることがあるお薬の例

比較的安全であるとされているのは、アセトアミノフェンという成分が使用されている薬です。
市販薬では、タイレノールA錠がそれにあたります。

しかし、妊婦さんの体調や母体の状態、胎児の状況によって使用できない可能性もあります。

かかりつけの産婦人科もしくは歯科医に一度確認してからの服用をおすすめします。

妊娠中は使用できない薬

• イブプロフェン
• ロキソプロフェン
• ボルタレン

といった薬は、妊娠中使用できません。

なお、イブプロフェン、ロキソプロフェンは、妊娠後期の使用で、胎児の心不全、胎児水腫（赤ちゃんの全身がむくんでしまう状態）を起こすリスクが上がるとされています。

妊娠初期の歯のセルフケアの方法

虫歯や歯周病を予防するために、次の3つのセルフケアは行うようにしましょう。

1. 食べた後は歯磨きをする
2. 歯間ブラシ、デンタルフロスを使用する
3. 日に一度、就寝前には特に丁寧に磨く

特に寝ている間は、口の中が“虫歯になりやすい”状態です。
就寝前の歯みがきは念入りに行いましょう。

「つわりがつらい」ときの歯のケア方法

つわりがつらいときは、以下の方法で、口の中を清潔に保ちましょう。

• 歯磨き粉が気持ち悪い場合、水だけで歯磨きする
• どうしても歯磨きできないときは、食後に口をよくゆすぐ
• 体調が良いときに、丁寧に歯磨きをする
• ヘッドの小さい歯ブラシを使う

虫歯や歯周病の進行が早い妊娠中は、普段以上に、歯垢や歯石を溜めないことが大切です。歯磨きが無理な時でも、歯間ブラシ、洗口液などを使用して口腔内を清潔に保ちましょう。

妊娠初期でも…歯医者さんに行ってもいい？

基本的に、妊娠中でも歯科治療は可能です。
虫歯や歯周病の治療は、妊娠初期でも受けられます。
※抗生物質が必要な治療の場合は、妊娠妊娠4週〜15週は避けます。

ただし、体調によっては治療を控えた方が良いケースもあります。
妊娠初期は緊張やストレスなどで歯科治療中に気分が悪くなることがあります。
妊娠週数によっては使えない薬剤もあります。

特に妊娠4週～15週の時期は胎児の重要器官が作られていく時期のため、治療を避ける場合があります。

歯科医師には「妊娠していること」と「妊娠週数」を伝えた上で、できる治療を進めていくのがよいでしょう。

つわりがあっても治療できる？

つわりがつらいときは、治療時間を短くするなどして対応します。
また、つわりが収まるまでは消毒治療やブラッシングなどの指導により、虫歯の悪化を防ぐことが検討されます。

妊娠中は、“虫歯が増えやすい・悪化しやすい”ので注意が必要です。
まずは、なぜ痛みが出ているかの診察が必要です。
歯科を受診して相談しましょう。

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妊娠中、虫歯や歯周病の進行は「あっという間」です

妊娠をきっかけに、つわりなどの影響で歯磨きができなくなっても、出産後に体調が戻れば、歯磨きも元通りにできると思っている人もいるかもしれません。

しかし、出産までには数ヶ月あります。

それまでに十分に歯磨きができないと、あっという間に虫歯や歯周病が進行してしまうことがあります。

歯は、一生使うものです。

体調と相談して、できる限り清潔に保つように心がけましょう。

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