赤ちゃんの歯並びが悪い！「自然に治る」って本当？斜め・八の字でも大丈夫？

赤ちゃんの歯並びが心配！
斜め・八の字の歯並びは自然に治るのか、永久歯への影響はあるのかなど気になる疑問を歯医者さんが解決していきます。

「矯正を検討したほうがよい」と判断する基準や、歯並びをよくするための生活習慣アドバイスも紹介。ぜひ参考にしてみてください！

赤ちゃんの歯並び悪くても「気にしなくていい」ってホント？

はい、赤ちゃんの歯が曲がって生えてくることはよくあります。
顎の成長に伴い、顎にスペースができるとまっすぐになっていきます。

乳歯は、小学生頃まで使う歯です。
赤ちゃんと小学生を比べると、体の大きさの違いは歴然ですね。
乳歯は子どもの後の成長を見越して、小学生頃までの顎の大きさに合わせて生えてきます。
成長して顎が大きく育っていくのに合わせて、乳歯も動いていくというのは普通のことです。

歯並びは自然に治る？永久歯への影響は？

乳歯の歯並びは顎の成長に伴って変わっていきます。
隙間ができている程度の歯並びの悪さは、永久歯への影響を気にしなくてよいでしょう。

生え始めに歯が曲がっていても、徐々にまっすぐ向いていくことが多いです。
3歳頃までに乳歯は生え揃いますが、この時期までに移動する歯もあります。

乳歯の歯並びは、顎の成長とともに良くなっていきます。
そのため、顎を発達させることが重要です。

離乳食の時から噛む練習が始まります。
「顎を動かしているかな」、「舌を使っているかな」と観察し、小さな頃から噛む癖をつけましょう。

「赤ちゃんによくある乳歯の生え方」の例

「八の字の前歯」や「斜めに生えている」場合は、よくある生え方なので問題ありません。
顎の成長と一緒に歯が動いていくことが多いです。

歯が曲がっているときの「歯磨きのポイント」

歯が曲がっているときは、一定方向からばかり歯磨きをしていると磨き残しができる場合があります。
いつも同じ方向からではなく、反対方向からも磨くようにしましょう。
特に歯の裏側は磨き残しが多いので念入りに行います。

 「永久歯の歯並びにも影響する」例

注意が必要なのは、前歯が重なって生えている状態です。

重なっている乳歯がある場合、永久歯はさらに重なりの度合いが大きくなる可能性があります。

乳歯の前歯が重なって生えてきた場合は、歯科に相談しましょう。

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一度、検査をおすすめする「乳歯の生え方」の例

• 前歯が重なって生えている
• 他の歯よりも大きな乳歯があり、歯の数が足りない

といった場合は、一度、歯医者を受診しましょう。

①　前歯が重なって生えている

前歯が重なっている場合は、顎の小ささが原因となっている可能性があります。
そのままにしておくと、永久歯も入りきらないことが予想されます。
そのため、早い時期から顎を育てる必要が出てくることが多いです。

顎を広げる、大きくするためには、食べ物をよく噛むことが大切です。
歯医者では、よく噛むための食事指導が行われます。
必要に応じて、「眠る時に顎にはめる装置」を装着する治療を行うこともあります。

また、重なって生えている乳歯は虫歯になりやすいので、定期的に受診して、健診やクリーニングを受けるようにしましょう。

②　他の歯よりも大きな乳歯があり、歯の数が足りない

他の歯よりも大きな乳歯があり、歯の数が足りない場合は、癒合歯（ゆごうし）の可能性があります。

癒合歯とは、2本の歯が合体して1本のような状態になっている歯です。

癒合歯には、

• 永久歯は通常通り歯茎の中で形成されている
• 永久歯も癒合歯になっている
• 永久歯は普通だが歯の数が足りない

などのパターンがあります。

癒合歯の乳歯は自然に抜けないことがあり、その場合は生え変わりの時期に抜歯する必要が出てきます。歯科矯正を検討することもあります。

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「矯正したほうがよい」と判断できるのはいつ？

矯正が必要かどうかは、乳歯が生えそろった時点で顎のサイズや乳歯の生え方などを診断して検討します。

永久歯が生えてくることを踏まえて、

• 顎の大きさ
• 乳歯の生えている向き
• 全体の歯並び

を確認して判断します。

特に「顎が小さい」、「乳歯の歯列が乱れている」場合は、永久歯の生えるスペースが足りていないことが多いので、生活指導や矯正などを始める必要が出てきます。

歯並びをよくするための生活習慣アドバイス

子どもの歯並びを良くするためには、

• 指しゃぶりを控えさせる
• 頬杖をやめさせる
• 口呼吸をやめて鼻呼吸にする

などの生活習慣が重要となります。

3歳頃になったら指しゃぶりを控えさせる

3歳頃になったら指をしゃぶらないように伝えましょう。
口で言ってもやめられない場合は、話す、遊ぶなどして、他のことに集中させるようにしましょう。

指しゃぶりは赤ちゃんの頃であれば良いのですが、2歳後半〜3歳頃になって体の力もついてくると、指を吸う力が強くなるので問題が出てきます。

指しゃぶりの間中、指と一緒に歯を前に吸い上げているので、出っ歯や不正咬合などを引き起こします。
指しゃぶりをしている時間が長ければ長いほど、歯並びに影響します。

頬杖をやめさせる

頬杖をつく姿勢を取らせないように、椅子に座る時は深く腰掛けるように指導しましょう。

長時間の頬杖は、顎の発達を妨げることがあります。
顎が順調に育たず小さいままだと、歯が生えるスペースが狭まり歯列に悪影響が出る可能性があります。

口呼吸をやめて鼻呼吸にする

口を閉じて、鼻で息をするように教えましょう。
鼻詰まりがあると口呼吸になるので、鼻炎などは治療を受ける必要があります。

口呼吸により常に口が開いていると、口の中で舌が下がり、顎も下がってしまいます。
この状態は、歯並びを悪化させ、噛み合わせに悪影響を及ぼします。

また、口周りの筋肉もつきにくくなり、発語に影響が出ることがあります。

歯が生えたら「歯医者デビュー」をおすすめする理由

小さな頃から歯医者に通い慣れていれば、歯医者通いが格段に楽になります。

「歯医者は痛いことをする場所ではない」、「知っている人がいる場所」だと感じて、不安感なく通ってくれます。

歯科に慣れていると、健診で口を開けるのもスムーズにできる赤ちゃんが多いです。

子どもは、知らない場所や、知らない人に向けて口を開けるのを嫌がります。
特に自我が目覚めてからだと、TVや本の影響で「歯医者は痛いことをする」というイメージを持ってしまうことが多いです。

歯並びの悩みや、歯磨きの仕方なども気軽に相談できます。
前歯が下2本・上2本が生えてきたタイミング（1歳半頃）で、歯医者デビューするのをおすすめします。

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