「妊娠中のストレスで胎児に障害が出る」って嘘？本当？ストレス軽減のコツも

妊娠中のストレスで胎児に障害が出るって聞いて不安…。
この噂って、本当なの？

妊娠中のストレスが「胎児に与える影響」について、お医者さんに聞きました。
妊娠中にストレスを感じやすくなる理由や、ストレスを上手に解消する方法も詳しく解説します。

監修者

石野医院

副院長
石野 博嗣 先生

経歴

1999年　日本医科大学産婦人科教室入局　日本医科大学付属病院　産婦人科研修医
2001年　国立横須賀病院（現 横須賀市立うわまち病院） 産婦人科
2002年　東京都保健医療公社　東部地域病院　婦人科
2003年　日本医科大学付属病院　女性診療科・産科 助手代理
2004年　日本医科大学付属第二病院　女性診療科・産科　助手
現在　石野医院の副院長

【嘘？本当？】妊娠中のストレスで「胎児に障害が出る？」

妊娠中のストレスのせいで、「生まれてくる赤ちゃんに障害が出る」って本当でしょうか？

一概に障害につながるとは言えませんが、妊娠中の過度のストレスが胎児の発育に影響する可能性はあります。

ストレスは血管を収縮させ、血流を悪くさせます。胎児はお母さんの子宮に流れる血液から胎盤を通して栄養分を取りこんでいるため、血流が悪くなると栄養不足になってしまいます。
こういった状態が続くと、胎児の発育が悪くなるなどの影響が出ることがあります。

ストレスが「胎児」に与える影響

栄養が順調に送られないことで低体重など、身体の発育に関わるリスクがあります。
また、ストレスが大きいと子宮収縮につながり、流産や早産のリスクが高くなることも懸念されます。

ストレスが「母体」に与える影響

過剰なストレスが続いていると、母体の精神が不安定になり、睡眠不足や食事が取れなくなるなど、健康を害することがあります。

また、母体に睡眠不足や栄養不足があると、「胎児に栄養が送られにくくなる」という悪影響につながります。

ストレスの原因によって胎児・母体への影響は変わる？

どのようなストレスであっても、妊婦の身体的な変化に違いはないので、胎児・母体への影響が変わることはありません。

ただし、
疲労・睡眠などの「環境的要因」によるストレス
→血行不良になり、胎児の発育に影響が出やすい
不安・悩みなどの「心理的要因」によるストレス
→母体の精神に影響が出やすい
といった傾向はあると言えます。

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妊娠中の状況がお子さんの産まれた後の性格に影響しているとは、考えにくいです。

どちらかというと、育てていく過程でお子さんが受けるストレスの方が、性格への影響は強いでしょう。

どうしたって妊娠中はストレスがたまる…どの程度なら大丈夫？

多少ストレスを感じていても、よく眠れる・食べられるなど日常生活に支障が出ていないなら過剰に心配しなくて大丈夫です。

ストレスがないにこしたことはありませんが、ストレスが全くない生活というのは難しいものです。

特に妊娠中は、ホルモンバランスが変わり、気分の浮き沈みが激しくなる傾向があります。
また、「胎児が元気かどうか」「無事に出産できるか」などの不安もあるでしょう。
それに加えて、つわりなどの不調や体の変化もあるため、どうしてもストレスを感じやすくなります。

ある程度ストレスを感じていても、睡眠や食事がしっかりとれていれば、胎児に影響する心配は少ないと考えていいでしょう。

こんなときは要注意「ストレス過多のサイン」

• 気分が落ち込む・悲しい気持ちが続く
• 何もやる気が起きない
• 週3回以上、ぐっすり眠れない日がある
• 集中力が低下している
• 食欲不振がある

上記に当てはまり、日常生活に支障をきたしている場合は、ストレス過多になっている可能性があります。

ここからは、ストレス発散におすすめの対策をお伝えしますので、ぜひ実践してみてくださいね。

妊娠中のストレスを軽減する4つの方法

ストレス対策①　深呼吸

ストレスを感じたら、深い呼吸を意識してみましょう。
もう吸えないというところまで息を吸って、同じくらいの時間かけて出していきます。
3回程度深呼吸を繰り返して、気分をリラックスさせます。

ストレスが多いと、呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなって酸素濃度が低くなると、気分が落ち込んだり疲労がたまったりしやすくなります。深呼吸をして気分転換を図りましょう。

ストレス対策②　軽い外出で気分転換する

車通りの少ない道で、ゆっくり深呼吸しながら20分程度歩き、血流を良くしましょう。

同じ場所にずっといると、思考が同じところでグルグルしがちで、ストレスにつながります。視界を変えて気分も変えるために、少し外へ出てみましょう。
お散歩するなら朝がおすすめです。朝に体を動かすと血流がよくなり、気分がすっきりします。

また、妊娠中に外出する際は、母子手帳や健康保険証、スマホなどを忘れないようにしましょう。

お散歩はストレス解消にいいです。
医師に安静を指示されていなければ、公園などを歩いたり、ウインドウショッピングも気分転換になります。
（中学2年生の男の子のママ）

ストレス対策③　体を温める

• 毎日湯船に浸かる
• 部屋の温度を上げる

などを心がけて、体を冷えから守りましょう。

部屋の温度は、夏場は25～28度、冬場は18～22度くらいが適温です。ただし、寒いと感じている場合はご自身が心地よいと感じる温度に設定しましょう。

ストレスを受けると体は冷えやすくなります。体が冷えているとネガティブな考えに支配されやすくなります。
妊娠中は、常に体を冷やさないようには気をつけましょう。

妊娠中のストレス解消のために、好きな音楽を聞きながら湯船にゆっくり浸かってリラックスしました。
（小学4年生と中学2年生と3年生の男の子のママ）

ストレス対策④　軽い運動

• ウォーキング
• ゆっくり泳ぐ

などの軽い運動を、朝〜夕方ごろに20～30分程度おこないましょう。

息切れしない程度の軽めの有酸素運動をすると、血流が良くなり、酸素も体に行き渡るようになります。
激しい運動はストレスになるので、ゆっくりと体を動かしましょう。

軽くストレッチするようにしていました。
妊娠中に使用できるアロマオイルを使っていたので、香りでもリラックスできてストレス解消につながりました。
（3歳の男の子のママ）

おすすめしないストレス対策

• 暴飲暴食
• 過剰な運動

これらの方法でストレスを発散するのはやめましょう。

暴飲暴食で食べ過ぎると肥満になり、出産がスムーズにいかくなることがあります。
過剰な運動は、疲労の増長・子宮収縮を招くことがありますので避けましょう。

もちろん、喫煙・飲酒は胎児に悪影響なので、絶対に避けてください。

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「自分なりのストレス発散方法」を見つけよう

自分に合ったストレス対策ができていると、妊娠や出産での体調不調を軽減でき、余裕を持って出産や産後の準備ができるようになります。

また、イライラしにくくなると、パートナーとの関係性も良好に保ちやすいです。

妊娠すると、どうしてもストレスを受けやすくなります。
ストレスは、目には見えにくく、体が悲鳴をあげるまで気がつかない人もいます。
妊娠をしたら自分一人の体ではなく、“赤ちゃんを育てている体”という意識をもって、いたわりましょう。

心と体に負担がかかることからはなるべく離れて、自分なりのストレス発散方法を身につけてくださいね。

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