妊娠中期「引っ張られるような痛み」の正体は？胎児は大丈夫？

妊娠妊娠中期

公開日:2023-06-08 | 更新日:2024-12-06

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お腹が引っ張られるような痛みが…これ大丈夫？
赤ちゃんに影響する？

「妊娠中期の引っ張られるような痛み」について、お医者さんに聞きました。

痛みの原因や胎児への影響、痛みを和らげる対処法についても解説します。

経歴

1999年　日本医科大学産婦人科教室入局　日本医科大学付属病院　産婦人科研修医
2001年　国立横須賀病院（現横須賀市立うわまち病院）産婦人科
2002年　東京都保健医療公社　東部地域病院　婦人科
2003年　日本医科大学付属病院　女性診療科・産科助手代理
2004年　日本医科大学付属第二病院　女性診療科・産科　助手
現在　石野医院の副院長

妊娠中期に「引っ張られるような痛み」が…
「引っ張られるような痛み」は、赤ちゃんに影響しない？
「引っ張られるような痛み」があったときの対処法
こんな痛みがある場合は、医療機関に相談を

妊娠中期に「引っ張られるような痛み」が…

今、妊娠中期です。お腹が引っ張られるような痛みがでてきました。お腹の赤ちゃんが心配です…。お腹の中で何が起こっているのでしょうか？

それは、「円靭帯」という子宮を支えている靭帯が張っているときに感じる痛みと考えられます。

胎児が順調に大きくなっていくと、さらに子宮も大きくなっていきます。

子宮が大きくなり重くなっていくので、それを支えている靭帯も伸びて引っ張られていきます。
この時に感じるのが円靭帯の痛みです。

人によっては、脇腹・足の付け根に痛みを感じる人が多いです。

どんなときに痛みを感じやすい？

体を動かした時に、円靭帯に痛みを感じやすいようです。

例えば、

座った状態から立つ
長く立っている
歩いている

ときに感じる人が多いです。

体を動かすと、子宮が揺れるため痛みを感じることがあります。

また、眠っているときは、気をつけていても思わぬ体勢になっていることがあり、その動きで円靭帯の痛みを夜間に感じる人がいます。

「引っ張られるような痛み」は、赤ちゃんに影響しない？

円靭帯の痛みの場合は、胎児や子宮に影響しないので心配ありません。

お腹の痛みと感じますが、傷んでいるのは靭帯です。

妊娠継続には関係しないので、母体や胎児への影響はありません。

どんな痛みは「要注意」？

「生理中のような痛み」や「猛烈な下腹部痛」などがあるときは要注意です。

これらの痛みの主な原因は、切迫流産の可能性があります。

少量の出血や場合によっては大量出血を起こすこともありますので、放置せずにすぐにかかりつけ医に連絡して、受診してください。

「大丈夫な痛み」と「要注意の痛み」を見分けるには？

下腹部痛
腰痛
出血

などのうち一つでも症状がある場合は注意してください。

これらの症状がある場合は切迫流産・切迫早産などのリスクがあります。しかし初めての妊娠の場合、「大丈夫な痛み」と「要注意の痛み」の差がわからない人もたくさんいます。

わからない、不安という場合は、ぜひ一度かかりつけの医療機関で診察を受けておきましょう。

「引っ張られるような痛み」があったときの対処法

お腹が引っ張られるような痛みを感じた場合は、

座って楽な姿勢をとる
横になる

などして体を休めてください。

深呼吸をして、衣類を緩めて楽な体勢になって体を休めましょう。室温を上げる・厚着をするなどして対応しましょう。

特に腹部や手首、足首、首周りを温めてください。また、寒い時期は温かい飲み物などを口にするのもおすすめです。

痛みがあるときは、家事や運動は控えてください。

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こんな痛みがある場合は、医療機関に相談を

以下のような痛みがある場合は、切迫流産・切迫早産などの緊急度が高い状態の可能性があります。

痛みの特徴	かかる恐れのある病気
下腹部痛（規則的な痛み・強い生理痛〜猛烈な痛み）	切迫流産・切迫早産など
出血を伴う規則的な痛み・強い生理痛〜猛烈な痛み	切迫流産、切迫早産、子宮外妊娠（妊娠初期）など
お腹の上の方の痛みと頭痛、肩痛など	HELLP症候群など