妊娠中に「歯が痛いけど虫歯じゃない」妊娠性歯痛が原因？痛みを和らげるには？

妊娠中に歯が痛くなるのはなぜ？
痛みを和らげる方法は？

虫歯じゃないのに歯が痛む妊婦さんに向けて、原因や対処法をまとめました。
使って良い市販薬についてもご紹介します！

妊娠中に歯が痛い！虫歯ではないのに…なぜ？

今、妊娠中です。
虫歯ではないのに、歯が痛いです。なぜでしょうか…？

妊娠中は、ホルモンバランスの影響により、血流が増加します。これにより神経圧迫が起こり、虫歯ではない健康な歯なのに歯が痛むことがあります。

これを妊娠性歯痛といいます。

妊娠性歯痛には、

• ズキズキ痛む
• 押す・触ると痛い

などの特徴があります。

鋭い痛みに驚く妊婦さんも多いですが、妊娠による “一時的な痛み”なので、心配する必要はありません。
妊娠安定期に入る、妊娠5〜6ヶ月後に自然と痛みがおさまる人が多いです。

ズキズキ疼痛の対処法

歯がズキズキ痛む場合の対処法には、

• 冷やす
• ツボを押す

などがあります。

対処法①　冷やす

腫れている、ズキズキする部分をハンカチで包んだ保冷剤などで冷やすと良いでしょう。

肌に保冷剤を直接あてると凍傷のリスクがあるので、保冷剤にガーゼやハンカチなどを巻いて使います。
痛む部分の頬の外側からあてて冷やしてください。
一度あてたら5分程度で離して、また痛む時は再度冷やしましょう。

※長時間、あてたままにしておくと凍傷を起こすことがあるので注意してください。

対処法➁　ツボを押す

承漿（しょうしょう）と呼ばれるツボを押してみましょう。
歯の痛みや歯茎の腫れをやわらげるとされるツボです。

▼承漿の場所
下唇と顎の間の中央のくぼんだ部分にあります。

▼承漿の押し方
歯を閉じた状態で親指や中指で押します。

※気分がすぐれないなど、妊娠中にツボ押しをして異変を感じた場合は、すぐにツボ押しをやめてください。

歯痛は、治療しなくても大丈夫…？

妊娠性歯痛は、特別な治療は必要ありません。
妊娠中期になり安定期に入った頃には自然に治ることが多いです。

ただし、他の病気が影響している可能性もあるので、歯科で調べておくと安心です。

妊婦さんは虫歯や妊娠性歯肉炎といった歯のトラブルを抱えやすいです。気づかないうちに「産後に気づいたら虫歯だらけ」という方も多くいます。

妊婦さんは「妊娠性歯肉炎」にも注意

妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、歯茎が腫れたり赤くなったりする「妊娠性歯肉炎」にもなりやすいです。

ホルモンバランスが変化することで、口の中の細菌が増殖しやすくなり、妊娠性歯肉炎が引き起こされます。

最初は軽度の歯茎の腫れですが、

• 歯磨き不足
• 食べかすが残っている
• 歯垢がたまっている

といった要因により歯茎の炎症が進行すると、歯がぐらつくほど歯茎が腫れてしまうことがあります。

妊娠性歯肉炎になったら「念入りに歯みがき」しよう

口の中を清潔に保つことが大切です。
歯茎、歯と歯茎の間を丁寧にブラッシングしましょう。

口腔内が清潔な時間が長いと、炎症も数日で収まります。

歯が痛くて眠れない！痛み止め薬は使っていい？

眠れないほど歯が痛いです…。
妊娠中でも痛み止めの薬は使っていいのでしょうか。

自己判断で使用するのはNGです。
妊娠中に使用できる鎮痛剤とできない鎮痛剤があります。
使用可能な鎮痛剤の場合も、あなたの体調や母体・胎児の状況によって、薬を使えるかどうかの判断が変わります。

かかりつけの産婦人科、もしくは歯科医に一度確認してから服用しましょう。

使用できることがある痛み止め薬

アセトアミノフェンという成分が使用されている鎮痛剤で、市販薬では、タイレノールA錠は妊娠中でも比較的安全性が高いです。

ただし、服用する場合は、かかりつけの産婦人科、もしくは歯科医に事前に確認しましょう。

使用できない痛み止め薬

イブプロフェン、ロキソプロフェン、ボルタレンなどは、奇形などの胎児へ影響があるとされており、妊娠中は使用できません。

イブプロフェン、ロキソプロフェンは、妊娠後期での使用で胎児の心不全、胎児水腫（赤ちゃんの全身がむくんでしまう状態）を起こすリスクがあります。

「つわりで気持悪い」歯磨きできないときはどうする？

つわりで気持ち悪く、歯磨きがしづらいときは、

• 歯磨き粉を使わずにブラッシングする
• 食後にうがいを丁寧に行う
• 夜眠る前は丁寧に磨くようにする
• キシリトールガムを噛む

といった方法で対処しましょう。

歯磨き粉は無理に使わなくてもいい

強い香料の歯磨き粉は、つわりの際に使用すると気持ち悪くなることが多いです。
歯磨き粉は無理に使用しなくても良いでしょう。

代わりに歯間ブラシ・フロスなどをプラスで使用しましょう。

「うがい」するだけでも効果的

うがいでもある程度は、食べかすや虫歯菌を排出することができます。
毎食後の歯磨きがつらい時は、食後にうがいだけは行いましょう。

うがいをすると、口の中の水分が保たれるので細菌が繁殖しにくい環境にできます。殺菌効果や歯周病予防の効果がある洗口剤の使用もおすすめです。

「就寝前」は、特に丁寧な歯磨きを

夜眠る時は、唾液量が減って、細菌が繁殖しやすい状態です。
1日の中で眠る前だけでも、丁寧に歯磨きを行うようにしましょう。

「キシリトールガム」もおすすめ

唾液が多いと口の中の細菌が繁殖しにくくなるので、ガムを噛んで唾液量を増やしましょう。

ガムは歯の再石灰化を促すキシリトール入りで砂糖不使用のものがおすすめです。

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