妊娠中の虫歯予防。自宅で出来る簡単ケア方法。虫歯の胎児への影響は?

妊娠中の虫歯予防。自宅で出来る簡単ケア方法。虫歯の胎児への影響は?

公開日:2021-06-29 | 更新日:2022-09-02

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妊娠中の虫歯予防はどうすればいいの?
胎児への影響は?

悩むプレママのために、先輩ママ30人に「妊娠中の虫歯予防」について聞きました。
自宅でできる簡単ケアや、妊娠中に深刻な「歯周病」の予防についても歯医者さんに聞いたので、参考にしてくださいね!

岡井 有子 先生

監修者

こどもと女性の歯科クリニック

院長
岡井 有子 先生

経歴

京都市内産婦人科勤務
大阪歯科大学 卒業
大阪歯科大学大学院歯学研究科(小児歯科学専攻)修了
大阪歯科大学大学院歯学研究科 非常勤講師 就任

妊娠中は虫歯・歯周病予防が大切!

妊娠中の歯科治療

妊娠中は虫歯・歯周病予防が大切!」と聞いたことのあるプレママも多いと思います。
その理由はなんでしょうか?

妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい

先生(女性)
妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい」と言われています。
その理由として、
  • つわりの影響で歯磨きができない
  • 食欲が増えて食事の回数が増える
  • ホルモンの影響により口腔内に歯周病菌が増える
このようなことが挙げられます。

妊娠中はホルモンバランスの乱れにより唾液の量が減少・性質が変化することで口腔環境が崩れ、虫歯ができやすいといわれています。
また、つわりの影響で十分な歯みがきができず、虫歯菌や歯周病の菌が増えてしまうこともあるのです。

中にはつわりの影響で間食が増え、甘いものを食べる機会が増えていたというプレママも多く、これも虫歯の原因の一つといえます。

特に炭水化物や甘いものを食べたくなるママが多く、炭水化物や甘いものを食べると、唾液のPHが歯が脱灰(※)するPH5.5以下になりやすいです。
唾液のPHが5.5以下になると虫歯になりやすくなります。

※虫歯菌が炭水化物や糖を餌にして作る酸によって歯の表面を溶かしてしまうこと

胎児への影響

先生(女性)
虫歯や歯周病により、胎児の早産や低体重児出産を引き起こす可能性があるといわれています。

また、虫歯菌よりも歯周病菌による早産などへの影響が大きいとも言われています。

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自宅でできる!妊娠中の虫歯・歯周病予防

妊娠中 虫歯予防

先生(女性)
ミント水でうがいをすると、爽快感を得られて歯みがきがしやすくなります。

つわりがひどい時には、冷水でうがいをするだけでも、お口がすっきりしてつわりが軽減し、歯磨きをしやすくなることもあります。
つわり時は歯磨きが出来ないこともしばしば。虫歯予防に出来ることをしてつらい時期を乗り切りましょう。

先輩ママにも「自宅でできる妊娠中の虫歯予防」を教えてもらいました。

食後に必ず歯磨きをする

ママ
食後に必ず歯磨きをするように心がけました。
妊娠中は甘いものをいつもより食べたくなっていたので、間食した時も歯磨きやうがいを心がけました
(1歳の女の子のママ)
ママ
妊娠中は虫歯になりやすいと聞いていたので、虫歯予防として何か食べたら毎食後、ハミガキやうがいを必ずするようにしていました。
(5歳の女の子のママ)

うがい・マウスウォッシュをする

ママ
つわりで歯磨きがつらいときは、こまめにうがいをするようにしていました。
(1歳の男の子のママ)
ママ
こまめにうがいをするようにしていました。
つわりで歯を磨くこと自体がつらいときは洗口液を使っていました。口の中がスッキリするので、虫歯予防と気分転換によかったです。
(小学1年生と小学3年生の男の子のママ)
ママ
とにかくこまめにうがいをすることを心掛けました。さらにこれまで使っていなかったマウスウォッシュも使用しました
(2歳の女の子と、4歳の男の子のママ)
ママ
夕飯の後には、リステリンの虫歯予防の液体でうがいをしてから歯を磨くようにした。
(1歳の女の子のママ)

間食を控える

ママ
間食を控えました。お菓子をやめて飲み物はジュースではなく、お水や麦茶にしました。
(4歳の女の子のママ)
ママ
妊娠中は出来るだけ間食をしないようにして、口の中を清潔に保つように気を付けました。飲み物も出来るだけお茶などにして虫歯予防していました。
(5歳と中学2年生の男の子と、小学5年生の女の子のママ)

歯間ブラシを使う

ママ
普段の一日2回の歯磨きに加え、歯間ブラシを使用していました。
(0歳の男の子のママ)
ママ
歯間ブラシとデンタルフロスを使って汚れを落として虫歯にならないように気をつけていました。
(0歳の女の子のママ)

虫歯予防のガムを噛む

ママ
つわりが酷くて、歯磨きがなかなか満足にできなかったので虫歯予防のガムをよく噛んでいました
(0歳の女の子のママ)

妊婦が虫歯・歯周病の治療ができる時期は?

妊娠中 虫歯予防

妊娠中、虫歯治療ができる時期はいつでしょうか?
ママ
先生(女性)
妊婦の虫歯治療は、妊娠5〜7ヶ月頃の妊娠中期がいいでしょう。

妊娠中期になると、つわりも落ち着き体調も安定するため虫歯の治療もしやすくなります。

逆に虫歯の治療を避けた方が良い時期は、妊娠初期と後期です。

妊娠初期の場合は体調が不安定なことも多く、また胎児の神経系など大切な器官が作られる時期でもあるためです。
妊娠中の方の治療では、なるべく麻酔は使わず投薬も行わないことが一般的です。薬剤などの影響はないですが、妊娠初期は、つわりなどもあり、お口の中に器具を入れられることも避けたい時期です。

妊娠後期になると、腹部が大きくなることで仰向けでの歯科治療は血圧低下を招く可能性も考えられます。そのためできる限り虫歯の治療は避けたほうが良いといえます。

先生(女性)
ただし、歯周病は早めがよいです。妊婦さんの体調さえよければ早めに受診されることをお勧めします。

歯周病は「妊娠初期でも治療すべき」と判断されることがあります。
妊娠初期のホルモンの変化により歯茎が腫れやすくなります。歯周病菌が口腔内の粘膜から血液中に入り赤ちゃんにも影響を与えることも考えられるため、歯科医院で適切な治療を受けるようにしてください。
体調の良い日を選ぶとよいでしょう。

妊娠中の虫歯治療の方法は?

妊娠中 虫歯予防

虫歯治療で行うレントゲンや麻酔は胎児に影響はないのでしょうか…?
ママ
先生(女性)
レントゲン治療に関しては胎児への影響は少ないといえます。

虫歯治療のレントゲンは被ばくする線量が少なく、被爆部位もお腹からは遠いですので影響が少ないです。
レントゲン撮影も基本的には1・2回程度ですが、やはり被ばくは避けたいものです。プロテクターをつけてレントゲン撮影をすれば胎児への影響はないと考えられます。
ただ、妊娠中は、基本的にレントゲンは撮影しないことも多いです。

麻酔治療に関しては、歯科治療で使用する麻酔はごく少量で、胎盤を通過しない性質のため胎児への影響はありません。

しかし虫歯治療によっては抗生剤や鎮痛剤を使用する場合もあり、これには注意が必要です。
虫歯治療をする際は、必ず医師に妊娠中であること・妊娠何週であるかを伝えましょう。

妊娠の可能性がある場合も必ず医師に伝えましょう。
妊娠に気付いていないごく初期に使いたくない痛み止めがあります。

紹介した「妊娠中の虫歯・歯周病の予防方法」をぜひ参考にして、妊娠生活を送ってくださいね!

<参考>
日本歯科医師会:母子健康手帳活用ガイド

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