いつまで続く？乳児湿疹を繰り返す。スキンケア方法＆受診目安

乳児湿疹が全身に広がってしまった！

気をつけて見ていたはずなのに…どうして？

お医者さんに、「間違ったスキンケアの例」や「病院の受診目安」を聞きました。

早く治してあげたい…という方は、最後までぜひ読んでください。

乳児湿疹を繰り返す原因

乳児湿疹が快方に向かっては悪化して…を繰り返しています。

乳児湿疹になると肌のバリア機能が落ち、“刺激を受けやすい”状態です。
「治りかけたところに刺激がはいり、また悪化する」を繰り返している可能性があります。

例えば、気温や湿気が高くなると、汗をかきます。この汗が刺激になり、再発の引き金となる場合もあります。

なお、「乳児湿疹に急に悪化がした」場合は、乳児湿疹ではなく、アレルギーや感染症なども考えられます。病院で診察してもらいましょう。

乳児湿疹を繰り返す「刺激」の例

• 汗
• 紫外線
• 衣服のこすれ
• 手でかく等の直接的な刺激

など

乳児湿疹はいつまで続く？

皮脂の分泌が多い、生後2～3ヶ月頃までの多くの赤ちゃんに見られます。徐々に皮膚の機能が向上して、１歳頃までには湿疹が出にくくなる赤ちゃんが多いです。（※個人差があります。）

乾燥しやすい皮膚や、汗っかきなどの体質、また温度や湿度などが整っていないと湿疹の原因となり、長引く場合もあるでしょう。

いつか治るなら…放置してもいい？

いずれ治るのなら…放置してもいいのでしょうか？

赤ちゃんのためにも放置は避けて、早めにケアしてあげてください。

乳児湿疹が広がれば、それだけ治るまでに時間がかかります。乳児湿疹を繰り返すことで皮膚がゴワゴワと硬くなると、薬が反応しにくくなり、更に治るまでに時間がかかってしまいます。さらに、かきこわしてしまい、痕に残る場合もあるでしょう。

また、患部は痛み・かゆみがあると、赤ちゃんの機嫌も悪くなりやすいです。

病院の受診タイミングは？

「乳児湿疹が快方に向かっては悪化して…」を繰り返しています。
病院はいつ受診すべきでしょうか。

乳児湿疹が悪化してしまったら（例：かゆみがある・出血がある・膿んでジュクジュクしている）、できるだけ早く診察を受けましょう。

病院で悪化の原因を確認して、今後は湿疹を繰り返さないようにしましょう。

病院は何科？

小児科か皮膚科、どちらかを受診しましょう。

※皮膚症状以外に発熱、元気がない、ぐったりしている、嘔吐などの症状がある場合は、小児科を受診してください。

小児科を探す

こんなスキンケア…していませんか？

こんな対処をしていると、乳児湿疹を繰り返してしまう原因になります。

• 湿疹が良くなってきたので、スキンケアをつけない
• 皮膚をゴシゴシするように触る
• かゆみが出ているのに放置する

赤ちゃんの皮膚はデリケートです。良くなってきたときに、ケアを怠ると皮膚状態は一気に悪くなることがあります。少し良くなってきても、皮膚は刺激を受けやすい状態には変わりありません。毎日の保湿ケアを続けることが重要となります。

先生教えて！「正しいスキンケア方法」

赤ちゃんが乳児湿疹を繰り返しているときは

1. 体の洗い方
2. 入浴後のスキンケア
3. 汗をかいたあとの対処

の3つを覚えてケアしてあげましょう。

1.体をやさしく、しっかり洗う

入浴は、よく泡立てた石鹸で、皮膚を包み込むように洗ってください。手に泡をのせて洗います。

ゴシゴシ洗ったり、石鹸を使わずにお湯だけで洗うのはNGです。入浴後は、清潔なタオルを押し当てて水分を拭き取りましょう。タオルに水分を吸い込ませるイメージです。

2.入浴後のスキンケア

水分を拭き取ったら、保湿剤をつけてください。

• 水分をしっかり拭き取ったあとにつけること
• 塗り残しがないようにつけること

の2つが大事です。

手に保湿剤をたっぷりつけて、赤ちゃんの全身を優しくなでるように塗りましょう。手が滑らなくなったらスキンケアを足して補充してください。

3.汗をかいた後の対処法

汗をかいた後は、できるだけ早めに入浴で汗を流してあげましょう。

汗は刺激となり、湿疹を悪化させる原因です。入浴後は、再びスキンケアをしてあげましょう。

病院ではどんな治療をするの？

基本的に、診察して「乳児湿疹だ」確定したら、外用薬の塗布を行います。塗り薬や保湿剤を処方するので、自宅でのスキンケアに使用してください。

※処方薬があっているかを確認するために通院が必要となる場合もあります。

「乳児湿疹を繰り返すとアトピーになる」って本当？

乳児湿疹を繰り返すとアトピーになると聞いたのですが…？

アトピー発症に関しては未解明の部分が多く、その通りとは言い切れません。

ただし、乳児湿疹を繰り返して肌のバリア機能が落ちていると、アトピー発症の一因となることが考えられます。

「乳児湿疹を繰り返すだけで、アトピー性皮膚炎になる」とは言い切れません。アトピー性皮膚炎の発症は、アレルギーや環境といった様々な要因が関わります。

しかし、乳児湿疹を繰り返してしまうと、皮膚のバリア機能が落ち、様々な刺激が皮膚に入りやすくなります。この状態は、アトピー性皮膚炎発症の原因となる場合もあります。

アトピー予防のためにも、乳児湿疹を繰り返しているときは、早めに診察を受け、ケアする必要があります。