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「胎動がなくなるのはよくあることだよ」
そんな医師の言葉を信じていたら、お腹の子は「臍帯過捻転」で亡くなりました。
後悔してもしきれない、妊娠6か月(22週)での出来事。
天使ママである筆者の死産体験談を紹介します。
杏林大学医学部卒業後、筑波大学附属病院初期研修、けいゆう病院後期研修を経て横浜総合病院などで勤務。日本産婦人科学会専門医、日本産婦人科内視鏡学会認定医を取得。現在は明治神宮前駅3分、原宿駅7分の場所に産婦人科を開業し、都内で数少ない子宮鏡などの日帰り手術も行っている。
京都で1歳と6歳の子どもを育てるフリーライター。仕事・家事・育児の両立に、日々悩みながらも奮闘しています。趣味は京都の和菓子屋巡り。週末は子供たちと近場へのお出かけを楽しんでいます。
X(Twitter)/Instagram
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厚生労働省によると、22週以降の死産の割合は1,000人に3人。多くはないですがありえないことでもないと筆者は感じました。
流産の割合が多いと言われる「9週の壁」「12週の壁」。
流産と早産の分かれ目である「22週の壁」。
さまざまな壁を乗り越えて、スクスク大きくなっていたお腹の子。
第2子の誕生を心待ちにしていた筆者は、元気に生まれてくると信じて疑いませんでした。
22週を超えた妊娠6か月目のある日。いつもはポコポコと元気な胎動が、いつもより少ないような気がしました。
お腹のなかでポコ…ポコ…と小さく動く赤ちゃんはあきらかに弱っていて、まるでわたしに「助けて!」のサインを送っているよう。
「これはおかしい」と、仕事終わりに急いでかかりつけの産婦人科へ。その頃には胎動があまりなくなったように感じていました。
ドキドキしながらエコーを受けると、赤ちゃんの心臓はしっかり動いていました。医師が一言、
「胎動がなくなるのはよくあることだよ」
赤ちゃんの位置や角度によって胎動を感じにくくなることは、妊娠初期~中期にはよくあるそう。信頼している医師からの言葉に、安心して力が抜けたのを覚えています。
翌日になっても胎動はほとんど感じられず…。不安な気持ちはあるものの、「赤ちゃんの心臓が動いていたから大丈夫だよね」と自分に言い聞かせていました。
それでも不安な気持ちはぬぐえず、結局その翌日にもう一度産婦人科へ。「大丈夫、大丈夫」と心の中で唱えながら、震える足で診察台に上りエコーをあてること数秒…。
「心臓、止まってるね」
いちばん聞きたくなかった医師の言葉。
死産の兆候を感じていたためか驚きはなく、「ああ、やっぱり…」というのが正直な気持ちでした。幸せそうな妊婦さんであふれる待合室で、必死に涙をこらえてお会計を済ませ、産院をあとに…。
「自分のせいだ」「なんでこの子が?」いろんな気持ちがあふれて、泣きながら家に帰りました。
死産での出産は、メンタル面はもちろん身体への負担も想像以上に過酷でした。処置開始から分娩まで丸3日。1日ずつ記録していきます。
死産分娩の2日前、「ラミナリア」という棒状の器具を子宮口に挿入し、入口を広げる処置が開始されました。
ネットで「痛い」という情報を得ていたので覚悟はしていましたが、これが想像以上に痛い!焼けた金棒で身体を突き刺されるような痛みに、「うごかないで」と言われても身体が勝手にのけぞってしまいます…。
なんとか処置を終えて一度帰宅。小さな産院のため「ベッドが確保できない」という理由で入院はさせてもらえませんでした。
悲しみと不安でたまりませんでしたが、長女の屈託ない笑顔だけが唯一の癒しでした。
ラミナリアを挿入したまま1日過ごし、翌朝また産院へ。一度ラミナリアを抜き、子宮口をチェックした医師から「まだまだかかるね」と言われて絶望…。
少しだけラミナリアの本数を増やすため、昨日より長い時間激痛に耐えて処置は終了(あとで知ったのですが、病院によっては痛み止めを使用するところもあるそうです)。
下腹部の痛みがどんどん酷くなり、不安が増すなか自宅に戻りました。
夜は目を閉じても眠れず、「死産 理由」「死産 原因」「死産 ストレス」などとスマホで調べて、気づいたら朝に。
生理痛のような痛みが続くなか、朝イチで産院へ。過呼吸でパニックになりながらなんとか3度目のラミナリア処置を終えると、医師が「赤ちゃんのタイミングによっては今日生まれるかも」と…。
朝の処置から3時間後、どんどん痛みが増していきます。そして入院の準備をしているとパシャ!と破水。急にいきみたい感覚に襲われ、急いで分娩室へ移動しました。
「なんでこの子なの?」「どうして!?」と泣き叫びながら、涙でぐちゃぐちゃの顔で小さな小さな女の子を出産…。
亡くなってから数日経っていたため、全身がむくんで赤くなっていた赤ちゃん。それでも顔は長女にそっくりで、小さな指も細い足もすべてが愛おしい、まぎれもないわたしたちの子どもでした。
死産の原因は分からないことも多いようですが、わたしの場合は出産と同時に原因が分かりました。
胎盤から栄養や酸素を赤ちゃんに送るへその緒(臍帯)が、一部分だけギューッと捻じれて細くなっていたのです。赤ちゃんが回転したり、ママが勢いよく動いた拍子に捻じれることはよくあるそう。
へその緒が捻じれて、「苦しいよ、ママ助けて!」と赤ちゃんがSOSを送っていたのかと思うと、今でも心が締め付けられます。
お腹の中で赤ちゃんが危険な状態になっても、出血や腹痛などの症状がないことは多いそう。筆者が実際に感じた、唯一の死産兆候は「胎動」。
「胎動が少ない」「胎動がなくなった」と感じたら、迷わず産院に連絡してください。
医師の対応に疑問が残れば、セカンドオピニオンも考えましょう。
お腹の赤ちゃんを守れるのはママだけです。悲しい経験をするママが、ひとりでも減りますように。
最後に、「Ladies clinic LOG原宿」院長で日本産婦人科学会専門医の清水 拓哉先生に、死産にならないためにどうしたらいいのかお聞きしました。
ただ、体幹や手足に絡まっている場合には診断が難しくなります。
赤ちゃんの状態に問題がない場合には、自然にほどける可能性も高いため経過観察します。
へその緒が過剰に捻じれている今回の「臍帯過捻転」の場合も超音波でわかることもありますが、へその緒はもともとある程度捻じれた状態になっているので、気づけないこともあります。
赤ちゃんの体にへその緒が何重にも巻き付いていたり、へその緒が過剰にねじれたりすると、へその緒の血流が悪くなり赤ちゃんが死亡する原因となることもあります。
へその緒が絡まったり、へその緒の過剰な捻じれによって胎動が減少した場合には、胎児心拍数陣痛図で赤ちゃんの心拍もモニタリングします。
妊娠22週以降で胎児の心拍が低下しているのであれば、緊急帝王切開が必要になります。帝王切開後にNICU(新生児集中治療室)で厳重に管理していきます。
妊娠中に胎動が少ないと感じる妊婦さんは多ですが、その大半は問題ありません。しかし、赤ちゃんが危険な状態にさらされている場合もあります。
お腹の中にいる赤ちゃんの動きが変だと最初に気がつけるのは、お母さん自身しかいません。胎動減少を感じたら健診先の医療機関へ連絡をしてください。
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