2人目は切迫早産になりやすいって本当？ならないためにママができること

2人目は切迫早産になりやすいってホント？
切迫早産にならないためには、どうすればいい？

「2人目の出産は切迫早産になりやすいか」についてお医者さんに聞きました。

なりやすい人の特徴や、切迫早産にならないためにできること、安静にできないときの過ごし方のアドバイスもいただきました。

監修者

前田 裕斗 先生

経歴

2013年　　東京大学医学部医学科卒業
2013年　　川崎市立川崎病院勤務
2015年　　神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科

現在は、日本産婦人科学会認定の産婦人科専門医として活躍中。

情報があふれ、正しい情報の選択がますます困難になっている昨今、何を信じればいいか不安でたまらない人の助けに少しでもなるよう、情報発信しています。

2人目の出産は切迫早産になりやすいって本当？

2人目の出産は切迫早産になりやすいと聞きました…。本当でしょうか？

2人目が切迫早産になりやすいという医学的根拠はありません。
ただし、1人目のお子さんが早産だった場合、2人目のお子さんも早産になるリスクが上がると言われています。

妊娠・出産は人によっても違いますが、お腹にいる子どもによっても異なります。

同じように動いていても、何事もなく妊娠期を過ごす人もいれば、入院して安静にする必要がある人もいます。

つまり1人目が早産だったからといって、2人目も早産になるとは限りません。

切迫早産とは
早産になる危険性が高い状態。お腹の張りや痛みなどの子宮収縮が規則的かつ頻繁にあり、子宮口が開きかけている状態のこと。

なぜ？2人目が切迫早産になりやすいと誤解されている理由

一般的に、1人目の妊娠時に比べ2人目は、上の子のお世話があるため、安静を保つのが難しくなる傾向があります。
そのため、お腹が張りやすくなったと感じる人もいると思います。

また、上の子との妊娠間隔が短いと、切迫早産リスクは高くなるという報告もあります。

上の子の育児があるとなかなか休めないかもしれませんが、休める時はしっかり休息をとるようにしましょう。

切迫早産になりやすい人の特徴

• ストレスを感じやすい人
• 痩せすぎている人
• 多胎妊娠をしている人
• 立ち仕事が多い・動きすぎる人
• 冷える環境にいる人
• 子宮に異常がある人
• 喫煙や飲酒をする人

上記に当てはまる人は切迫早産になりやすいと言えます。

特徴➀「ストレスを感じやすい人」

ストレスを感じると、自律神経の乱れから子宮収縮が起こりやすくなる可能性が示唆されているため、切迫早産になりやすくなります。

特徴➁「痩せすぎている、妊娠中に体重が増えづらい人」

原因は詳しく解明されていませんが、妊娠前に痩せている人、また妊娠中に体重がほとんど増えない人は切迫早産になる可能性が高いと報告されています。

特徴➂「多胎妊娠をしている人」

双子や三つ子の場合、1人の場合と比べて子宮の筋肉が伸びているために子宮が過敏になっており、お腹の張りが起こりやすくなります。
そのため、単胎妊娠に比べ切迫早産の可能性が高くなります。

特徴➃「立ち仕事が多い・動きすぎる人」

仕事柄や上の子のお世話で立ちっぱなし、動きっぱなしになっている人は、お腹が張りやすくなるため注意が必要です。

特徴⑤「冷える環境にいる人」

「冷えは万病のもと」というように、妊婦さんは特に冷えが良くありません。冬場に外に出る機会が多い人や、夏場でもエアコンの効いたオフィスで過ごす人は要注意です。
体が冷えることで、お腹の張りが多くなる傾向にあります。

首・手首・足首を冷やさないように、あったかグッズを活用しましょう。

特徴⑥「子宮に異常がある人」

子宮の形に異常がある場合や、子宮頚管無力症（※）など子宮の異常があると切迫早産のリスクは高くなります。

予防だけではどうしようもないことが多いため、違和感があるときは迷わず産婦人科を受診しましょう。

「もし何もなかったら迷惑になるかも」と悩む人もおられるかもしれませんが、赤ちゃんの命に関わるため用心深いほうがいいかもしれません。

安心を得るためにも、不安な時は受診をしましょう。

※子宮頸管無力症（しきゅうけいかんむりょくしょう）
お腹の張りや不正出血、腹痛などの症状がないまま子宮頚管が開いてしまう状態のこと。
気付く事ができず、流産・早産となってしまうケースもある。

特徴⑦「喫煙や飲酒をする人」

たばこは血管を収縮させるため、赤ちゃんへ十分な栄養が届かなくなってしまいます。
アルコールは「胎児アルコール症候群（※）」を引き起こすだけでなく、赤ちゃんへのストレスとなり、子宮の収縮を起こすことで切迫早産のリスクが高まります。

喫煙や飲酒は、妊娠していない時でも体に害を与えやすい行為です。

妊婦さん自身の喫煙のみならず、受動喫煙も同様に悪い影響を及ぼすため、パートナーにも禁煙に努めてもらいましょう。また妊娠をしたら、禁酒しましょう。

※胎児アルコール症候群
妊娠中の飲酒により引き起こされる可能性がある、胎児の低体重や顔面を中心とした一連の異常。

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切迫早産にならないために。ママができること

切迫早産を予防するためにママができることには、

• しっかり休息をとる
• ストレスをためない
• 定期健診を忘れずに受ける

があります。

①しっかり休息をとる

「今日はイライラしている」「お腹がいつもよりよく張るな」と思ったら、横になって安静にしましょう。

上の子の育児で、なかなか時間が取れないかもしれませんが、赤ちゃんのためにも無理をせず、家事の手を抜いて休息をとりましょう。

しばらく安静にしても治らない場合は、産婦人科を受診しましょう。

②ストレスをためない

妊婦さんのストレスフリーな生活には、旦那さんやパートナーの方の援助が必要不可欠です。
日頃から、妊娠期にしてほしいサポートについて話し合っておくことが重要だと考えます。

精神的なストレスは、子宮収縮を促してしまうため、なるべくストレスをためない生活を心掛けましょう。

③定期健診を忘れずに受ける

無症状でも子宮頸管の長さが短くなってしまう人もいます。
定期的な健診で異常を早期に発見できるため、妊婦健診は忘れずに受診しましょう。

もしも急な変更が必要な場合は、なるべく早く予約を取り直しましょう。

どうしても自宅安静ができない時の対処法

体調不良や、お腹の張りの多さを感じたら、なるべく横になって休んで欲しいですが、仕事関係や上の子のお世話で、どうしても安静にできない場合もありますよね。

そんな時は、動きをゆるめて張りが落ち着くまで座って過ごすようにしましょう。

注意！こんな場合は「絶対安静」

• 下腹部の強い痛み
• 出血・破水

以上のような症状がある場合は、何があっても安静にして、健診日でなくてもすぐに産婦人科を受診しましょう。

まず産婦人科に電話をして症状を伝え、心配なので受診希望であることを話しましょう。

公共交通機関や自身で運転して行くのは出来るだけ避け、タクシーや家族に運転してもらいましょう。

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