「学校に行きたくない」親の対応OK・NG例。理由や子どもの心理は?

「学校に行きたくない」親の対応OK・NG例。理由や子どもの心理は?

公開日:2022-05-26 | 更新日:2022-09-28

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子どもが学校に行きたがらない…。
親はどう対応すべき?

子どもが「学校に行きたくない」と言ったときの親の対応について、お医者さんと先輩ママ・パパに聞きました。

「行きたくない」と言うときの子どもの心理や、親のOK対応例・NG対応例についても解説します。

坂野 真理 先生

監修者

虹の森クリニック

院長
坂野 真理 先生

経歴

日本精神神経学会認定 精神科専門医

日本医科大学医学部卒
東京大学医学部附属病院小児科及びこころの発達診療部、医療福祉センター倉吉病院精神科等を経て、英国キングスカレッジロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所(IoPPN)にて修士号取得
2018年 虹の森クリニック(児童精神科・精神科)開業
2020年 虹の森センターロンドン開設。日英両国において子どものこころに関する診療および情報発信を行っている。

KAJITAKU

「学校に行きたくない」と言われた…

頭を抱える女の子

子どもはどういう理由で「学校に行きたくない」と言うことが多いのでしょうか。

先輩ママ・パパからは、

  • 友達関係で悩んでいる
  • 給食の時間が嫌だ
  • 皆の前で先生に怒られた

などの理由が多くあがった一方で、「はっきりとした理由が分からない」という声もありました。

ママ
友達に嫌なことをされたり言われたりするので「学校に行きたくないと」言っていました。
からかわれている感じでした。
(小学4年生の女の子のママ)
パパ
「給食の時間が嫌だから行きたくない」と言われました。
もともと食が細い子で、残すとクラスの子にからかわれたり、「全部食べないといけない」と先生から注意されるとのことでした。
(小学6年生の女の子のパパ)
ママ
特にこれといった悩みもなかったのですが、ある日「学校の門の前まで来たら行きたい気持ちがなくなった」と言って帰ってきました。
(5歳の男の子と小学2年生の女の子のママ)

「行きたがらない」ときの心理状態は?

先生(女性)

子ども本人から「学校に行きたくない理由をうまく伝えられない」、「問題がないように見えるのに登校を嫌がる」理由の例として、

  •  幼少期から不安を感じやすく、様々な人間関係の中で気を使いながら生きていくことの疲れが積み重なり、我慢の限界が来てしまった
  • ルールに従って周囲と同じことをしなければならない集団生活が苦手

などが挙げられます。

また、「体調が悪くて学校に行けないが、検査しても身体には何も悪い所はない」ため医師からストレスなど心理面の影響を指摘されても、子ども本人からはストレスに感じていることを言わないケースもあります。
このタイプの中には、発達特性(特に自閉スペクトラム症)のため、自分の内面の感情を表現できない場合が含まれます。

ただし、これらの例にとらわれず、“学校に行きたくない”という理由を、時間をかけて子ども本人と一緒にきちんと見極めていくことが必要です。

子どもが学校に行きたがらない理由は非常に多岐にわたり、一人一人に千差万別の理由があります。
大人の方が「これが理由に違いない」と決めつけるのは危険なアプローチだと思います。
子ども自身の話・学校の様子・家庭での様子などの様々な情報を総合して、少しずつ原因を解きほぐしていく丁寧なプロセスが必要になることの方が多いでしょう。

ただ、私がこれまで見てきた登校渋りや不登校のお子さんの中で、「サボりたいだけ」という理由で学校に行かない子どもは私が見る限りは極めてまれです。
確かに、いじめなど明確な理由があって行きたがらないお子さんもいますが、明確な理由を本人が伝えられない(理由を認識できない)ことも多々あります。
また、本人がうまく自分の気持ちを言語化できず、とっさに伝えていた理由が、本当の理由ではない場合も多くあります。

いじめ、同級生や先生とのトラブル、気分の落ち込みや特定の人や物への不安などを始め、明らかなきっかけがありそうであれば、まずはその問題がどのように影響しているのかを考えていくべきでしょう。

親のOK対応例

子どもが学校に行きたがらないとき、どのように対応すればよいでしょうか?
ママ

 

先生(女性)
まずはどうして行きたくないのか、率直に聞いてみましょう。

ただ、もし泣いてぐずっている・明らかに情緒不安定な状態であれば、学校に行こうとしない理由をすぐに聞き出そうとせず、落ち着いてからゆっくり理由を聞く体制をとってあげた方が良いでしょう。

例えば、子どもが「~~が不安で仕方がないから、今日は学校に行くのが怖い」など、理由を明確に伝えられたら良いですが、ただ「行きたくない」としか言えないお子さんもいます。
「不安」という気持ちを説明できず、そのような表現方法でしか伝えられないことがあるからです。
「行きたくない」と言われると、「ただのわがまま」と大人の方も受け止めてしまいがちです。
「行きたくない」という言葉は、何か異変があることのサインであると受け取ってあげましょう。

初めて「行きたくない」とお子さんが言い出した時に、無理やり引っ張って連れて行ってしまいたくなるのは親の心理かと思います。
しかし、無理やり連れて行くと状況が悪化するだけのことが多いですので、ひとまずゆっくり落ち着いて声をかけてあげましょう。
もし遅刻しても出かけられたら良いですが、そのまま何時間も落ち着かないのであれば、いったん休んだ方が良いかもしれません。

ママ・パパの対応例

ママ
無理やり連れて行くのはよくないと思いました。
そこで、我が家では1週間、息子を休ませてじっくりと話を聞きました。
このとき、息子は私たちを信頼してくれたようで、笑顔を見せて翌週から自分で登校をしてくれました
(3歳の女の子と小学3年生の男の子のママ)
ママ
責めたり問い詰めたりせず、子どもの好きなものをお昼ごはんにしたり、ゆっくりティータイムでもしながら「明日はきっと、みんなも先生も待ってると思うよ」と言葉をかける感じです。
案外すんなり次の日は行ってくれました。
(5歳の男の子と小学2年生の女の子のママ)
ママ
行けそうなら学校まで付き添う、どうしても足が向かないときはやむを得ず帰宅するといった対応でした。
とりあえず一緒に家を出てみると、友達の姿を見かけてそのまま一緒に登校することもありました。
(小学2年生の女の子と小学5年生の男の子のママ)

親のNG対応例

子どもの腕を掴む母親

先生(女性)
無理やり行かせると逆効果になるパターンが多いです。

例えば、不安が原因で行かれなくなってしまったお子さんには、不安を乗り越えるためのステップが必要になることが多いです。
そのステップをつくらずにいきなり学校に戻すのは、高所恐怖症の人に、いきなり高層ビルの屋上から下を見下ろすよう強要させているのと一緒です。

お子さんが行きたくなくなってしまった原因を探り、どのような方法が最も適切かを本人と一緒に考えていけるといいですね。

また、もし発達特性やメンタルの問題の可能性があると感じられる場合、もしくは学校に行かれない期間が数週間以上の長期にわたる場合は、親だけで抱え込まず、専門家に相談してみましょう。

困ってしまうのは、学校の先生から、「親がちゃんと送り出していない。子どものわがままを許しているので、行かない行動を助長させている。」と取られてしまい、「もっとがんばって連れてきてください。」と言うように肩を押されてしまうというケースです。このようなケースには少なからず遭遇します。その場合は、親が学校と子どもの間に立たされて本当に苦労されることかと思います。

親だけで対応するのが難しいと感じたら、近隣の市町村などの相談窓口や医療機関に相談すると良いでしょう。

ママ・パパのNG対応例

先輩ママ・パパに、今振り返ると「失敗だった」「逆効果だった」と感じるNG対応例を聞くと、「無理やり行かせたのは失敗だった」との声が多く寄せられました。

ママ
最初は、無理矢理行かせていました
癖になったら大変と、とにかく行ってほしくて保健室まで連れて行っていました。
すると、だんだん表情が暗くなってしまい「ただいま」の声もつらそうでした。
(小学5年生と中学1年生の男の子のママ)
ママ
「大丈夫!気にしなくていいよ!」の一点張りで無理に行かせようとしましたが、逆効果で大失敗でした。
子どもの訴えをきちんと受け取るようになってから、少しずつ笑顔を取り戻しました。
(小学3年生の女の子のママ)

子どもの「学校に行きたくない」は誰にでもあること!

最後に、子どもに「学校に行きたくない」と言われて悩んでいる方へ、先輩ママ・パパからのメッセージを紹介します。

ママ
自分も仕事に行きたくないと思うことがあるし、毎日頑張る子どもはすごいと思います。
子どもの様子を見ながら、ゆったりと長い目で見てあげてほしいなと思います。
(小学2年生の女の子と小学5年生の男の子のママ)
パパ
自分も行かなかった側ですが、今現在子どもを持ち、それなりの幸せな生活を送っています。
あまり深く考えず、行かせないことも1つの選択だと思います。
(小学5年生の男の子のパパ)
ママ
子どもにも休む時間が必要なのかもしれません。
休むことでリフレッシュするのであれば、お子さんの心に寄り添ってあげて下さい。
(中学2年生の女の子のママ)
ママ
子ども本人もつらいけれど、「行きたくない」と言われた親もつらいので、自分自身の気持ちをケアすることも大事だと思います。
(小学5年生の男の子のママ)

子どもが示した「行きたくない」という気持ちを可能な限り尊重して、子どもに寄り添って対応してあげたいですね。

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