母乳保存の方法!冷凍・冷蔵・常温。保存期間や温め方も|栄養士監修

母乳保存の方法!冷凍・冷蔵・常温。保存期間や温め方も|栄養士監修

公開日:2019-08-15 | 更新日:2022-09-05

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「母乳ってどうやって保存すればいいの?」
「どれくらいの時間保存が可能なの?」

冷凍・冷蔵・常温での母乳保存の方法を、栄養士がご紹介します。
やってはいけないNG保存例も解説いただいたので、参考にしてくださいね。

神原 李奈

監修者

経歴

栄養士 
(社)東京都栄養士会・食育栄養インストラクター

基本の搾乳方法

手で搾乳する場合

  1. まずは手を洗いましょう。
  2. 親指と人差し指を使って搾乳します。乳首から2~3cm離れたところに指を置き、指の腹を合わせるようにして圧迫します。
  3. いろいろな方向から繰り返し圧迫することで、乳房からまんべんなく搾乳することができます。
女性
<ワンポイント・アドバイス>
乳首を引っ張ったりねじったりしても、痛いだけでなかなか搾乳できませんので、気を付けましょう。

搾乳器を使う場合

搾乳器具を使用する場合は、器具をよく洗い、消毒してから使いましょう。
搾乳器具によって扱い方が違うので、説明書をよく読んで使いましょう。

母乳の冷凍保存方法

【冷凍】保存容器

滅菌された清潔な容器に母乳専用の容器やバッグで保存しましょう。
母乳バッグなどの専用の容器は、ジッパーがついており、密閉保存ができるようになっています。また、保存したい量に合わせてサイズも選べ、搾乳した日を書き込むメモ欄もあります。

【冷凍】保存期間はどれくらい?

冷凍保存(家庭用冷凍庫・-15℃前後)の場合、最大6ヵ月保存ができます。ただし、低体重児には3ヵ月以内に飲ませるようにしましょう。

【冷凍】解凍方法と温め方

まずはぬるま湯で解凍します。その後、哺乳瓶に入れて湯煎で温めましょう。解凍し適温になった母乳は、1時間以内に飲ませましょう。

女性

<この方法はNGです!>

  1. 常温で放置して解凍をすると、細菌が増える恐れがありますので、やめましょう。
  2. 電子レンジで温めると壊れてしまう栄養分があるので、避けましょう。

母乳の冷蔵保存方法

【冷蔵】保存容器

冷凍保存で使用する母乳パックは、冷蔵保存にも適しています。

【冷蔵】保存期間はどれくらい?

最大24時間保存が可能です。
それよりも長い時間保存をしたい場合には、冷凍保存をおすすめします。

【冷蔵】母乳の温め方

哺乳瓶に入れ、湯煎で温めましょう。
常温や電子レンジは避けましょう。

母乳の常温保存方法

【常温】保存容器

常温保存の場合は、数時間のうちに赤ちゃんに飲ませることが前提です。消毒済みの清潔な哺乳瓶での保存が良いでしょう。

【常温】保存期間はどれくらい?

搾乳したての新鮮な母乳は、25℃以下の室温で8時間までは細菌の増加が少ないと言われています。
しかし、NICU入院児には1時間以内、健康な赤ちゃんにも4時間以内に飲ませることをおすすめします。

【常温】母乳の温め方

冷蔵母乳と同じように哺乳瓶に入れ、湯煎で温めましょう。
常温や電子レンジは避けましょう。

冷凍・冷蔵・常温のどれがいいの?

赤ちゃんにとっては「冷凍・冷蔵・常温」のどれが一番いいのでしょうか?

女性
一番望ましいのは、搾乳後、すぐに常温のまま飲ませることです。

冷凍保存は、パパやママにとっては、長期間保存もできて便利だとは思います。しかし、冷凍することにより母乳の成分が変わってしまうので、できるだけ冷凍しない方が良いでしょう。

継ぎ足しはOK・NG?

一度保存した母乳に、新しい母乳を継ぎ足すのは問題ないでしょうか?

飲み残しでなければ継ぎ足しも可能ですが、基本的には、搾乳するごとに別の容器に保存した方が衛生的です。

女性
注意!冷たい母乳と温かい母乳を混ぜるのはやめましょう。

再冷凍・再冷蔵は?

解凍したものを、再冷凍

女性
他の食品と同じように解凍した母乳を再冷凍するのは避けましょう。

特に一度常温にまで戻したものは厳禁です。解凍した際に雑菌が繁殖し、そのまま冷凍することになる可能性があり、衛生的であるとは言えません。また、再冷凍により、栄養成分が変化することも考えられます。

室温に戻した母乳を、再冷蔵

女性
再解凍と同じく、一度室温に戻したら、再冷蔵するのはやめましょう。

やってはいけないNG保存

母乳の保存方法において「やってはいけない」注意事項はこちらの5つです。

赤ちゃんの体温以上に温める

母乳の成分が変化してしまいます。

熱湯で加熱する

成分の変化だけでなく、赤ちゃんが飲むときにやけどをする恐れがあります。解凍する際はぬるま湯で行い、温度を上げたい場合には、湯煎を利用してください。

電子レンジで哺乳瓶ごと加熱する

成分が変化するとともに、母乳が均一に温められず、これもまた赤ちゃんのやけどに繋がります。

飲み残した母乳の再利用

赤ちゃんの唾液も含まれ、細菌が増殖する危険性があります。もったいないと思わずに破棄しましょう。

解凍した母乳の放置

解凍した母乳には、除菌、殺菌成分が含まれていません。常温で放置すると細菌が増えるので、気を付けましょう。

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