妊婦の「明太子」は要注意？どれくらいの量なら大丈夫？食べてしまったときは？

妊婦は明太子を食べちゃいけないってホント？
安全な食べ方はある？

妊婦が明太子を食べることのリスクについて、管理栄養士さんに聞きました。
控えた方がよい食べ方や食べてしまったときの対処法も解説します。

監修者

望月 理恵子

経歴

管理栄養士

1999年　東京家政学院短期大学　生活科学科　食物栄養学科　卒業　準学士
1999年　調剤薬局にて栄養カウンセリング
2001年　管理栄養士　取得
2005年　健康食品・化粧品の会社にて学術担当
2012年　株式会社 Luce 代表取締役

妊婦は「明太子」や「辛子明太子」「たらこ」がNGってホント？

妊婦は「明太子」や「辛子明太子」、「たらこ」は食べちゃダメと聞きました。本当でしょうか？

はい、明太子やたらこを「妊娠中に生で食べる」のはNGです。
「明太子」「辛子明太子」「たらこ」を食べることで食中毒にかかるおそれがあります。
加熱をすれば食中毒のリスクは低くなりますが、塩分が高いため注意が必要です。

「明太子」「辛子明太子」「たらこ」にはリステリア菌という菌が生息していることがあります。
健康な人は少量のリステリアを摂取しても大丈夫ですが、妊娠中は抵抗力が下がっているため、少量でも食中毒を発症しやすくなっています。
さらに、「明太子」「辛子明太子」「たらこ」は塩分の過剰摂取につながります。

リステリアによる食中毒のリスク

発症すると敗血症や髄膜炎などの重篤な状態になることがあります。
また、子宮や胎盤に感染が起きると、流産・死産や生まれた新生児に影響がでることもあるそうです。

塩分の過剰摂取のリスク

1日3食の場合、1食で摂取してよい塩分量は2.1g程度です。
「たらこ」100g（約2本分）には、4.6gの塩分が含まれているため、1本食べてしまうとそれだけで1食分の塩分量を超えてしまいます。

食塩を過剰摂取することによって喉が渇き、水分をたくさんとってしまいます。
普段ならばとりすぎた水分は体外に排出されますが、体内の塩分が多い場合、水分はなかなか排出されず、むくみにつながります。
身体がむくみ、内臓への負担が大きくなると、妊娠高血圧症候群になるリスクが高まってしまいます。

※「日本人の食事摂取基準（2020年版）」によると、成人女性の1日の目標量は6.5g未満と定められています。

「食べても問題ない」のはどんなとき？

「明太子」「辛子明太子」「たらこ」はしっかりと加熱を行うことで、食中毒にかかるリスクを減らすことができます。
また、加熱した物であっても食塩の過剰摂取を防ぐため、1度に食べる量は1/4本～1/2本くらいに抑えた方がよいです。

もし明太子を食べてしまったら…

ご自身の体調をよく観察し、食中毒を疑う異変があればすぐに病院へ行くようにしてください。
下痢が続いた場合は脱水症状が起こる可能性があるので、水分摂取が必要です。

食中毒だった場合、放置していると敗血症や髄膜炎などの重篤な状態になることがあります。また、子宮や胎盤に感染が起きると、流産・死産や生まれた新生児に影響がでることもあります。

このような症状が出た場合にはすぐに病院へ行ってください。
その際は「生で「明太子」「辛子明太子」「たらこ」を食べたことを伝えましょう。

内科（または消化器内科・胃腸内科）と産婦人科の両方の受診をおすすめします。
かかりつけの産婦人科を受診するとき以外は、妊娠していることを必ず伝えましょう。

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食中毒の症状がない場合は？

塩分を過剰摂取している可能性はあるので、

• その後の食事の塩分量を少なめにする
• 無糖の水分（お茶やルイボスティーなど）をとって塩分排泄を促す

などの調整を行いましょう。

摂取量に注意したい魚介は他にも…

• マグロ
• キンメダイ
• メカジキ

などの大きい魚は水銀をため込んでいるおそれがあるため、生で食べる際は注意が必要です。

妊娠中の方が食中毒にかかってしまうと、脱水症状や栄養失調などになるリスクだけでなく、菌の種類によっては胎児に影響の出てしまうものもあります。

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