産後の出血(悪露)いつまで続く?大量の鮮血・血の塊も。繰り返すときは要注意!

産後の出血(悪露)いつまで続く?大量の鮮血・血の塊も。繰り返すときは要注意!

公開日:2019-08-30 | 更新日:2022-05-13

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出産後の大量出血に「コレって大丈夫?」「病院行くべき?」と心配になってしまうこともしばしば。

お医者さんに、出産後の出血について聞きました。
出血が止まらない場合や、大量の鮮血が出た場合についても解説していただきました。

石野 博嗣 先生

監修者

石野医院

副院長
石野 博嗣 先生

経歴

1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長

KAJITAKU

産後の出血って大丈夫なの?

疑問

産後に出血が続いて不安です。
ママ(困り顔)
先生(男性)
産後の出血の正体は、悪露(おろ)であることがほとんどです。
悪露には、血液が多く含まれています。はじめの頃は、レバー状の塊や鮮血が出て驚く人もいますが、自然なことです。徐々におさまっていきます。

分娩直後の悪露は、鮮血(鮮やかな赤色)です。量も多く、通常大きな専用のナプキンでないと対応できません。出産直後は、かなりの頻度でナプキンを変える必要がある人もいます。
悪露には、出産後に子宮から排出される卵膜やリンパ液・血液などが含まれています。

産後の出血はいつまで続く?

悪露はいつまで続くのでしょうか?
ママ
先生(男性)

産後数日で、悪露の量は減っていきます。
その後数週間かけて量が減っていき、産後1か月程度でほとんどなくなります。

※個人差が大きいため、他の方と違うからといって過剰に心配する必要はありません。

産後直後

ナプキンを頻繁に交換しなければいけないくらいの量がでます。

色は鮮やかな赤色です。

出産後7日ごろ

悪露の量が落ち着いてきます。

色は赤茶色になっていきます。

出産後14〜18日ごろ

悪露が淡黄色となります。

出産後1ヶ月ごろ

悪露が白いおりものになります。

出産後6週間以降

ほとんどの場合、悪露は出なくなります。

※帝王切開の場合は、悪露が長引く傾向があります。

産後に出血&腹痛がおこるしくみ

産後に出血が起こるのはなぜでしょうか。
ママ
先生(男性)
出産後は、子宮から胎盤が剥がれるときに一部の血管が開いた状態になり、出血が起こります。血管がふさがるまでは、子宮が元の大きさに戻っていく「子宮収縮」が起こり、血管が閉じるのを助けてくれます。
子宮収縮とは何ですか?
ママ
先生(男性)
「子宮収縮」とは、出産で大きくなった子宮が、産後約4週間かけてもとの大きさに戻っていくことです。

妊娠前の子宮の大きさは鳥の卵程度ですが、妊娠後期には、長さは約5倍、重さは11倍にも大きくなります。これが産後元に戻っていくのを子宮収縮といい、「子宮復古(しきゅうふっこ)」とも呼ばれています。

子宮収縮によるお腹の痛み

先生(男性)
子宮が収縮することによって、下腹部が「ぎゅー」とするような生理痛に似た痛みが生じます。

痛みのピークは産後3日程度です。

お腹が痛い&出血が多い時期の過ごし方

先生(男性)
お腹が痛い場合は無理に動かないようにしましょう。
腹帯やカイロでお腹を温めると和らぐ場合もあります。

あまりに痛みが辛ければ、出産した産婦人科で鎮痛剤を処方してもらいましょう。退院している場合は、産婦人科と連絡を取って、市販の薬で使っていいものを指定してもらい、服用することもできます。

痛みが強い場合は他の原因(細菌感染など)ある場合もあるので、医療機関へ必ずいきましょう。

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病院

「こんな出血の場合は注意!」といった気をつけるべき出血があれば教えてください。
ママ(困り顔)
先生(男性)
  • 出血の感覚が「流れ出るような」感じ
  • 今までよりも鮮やかな赤色の出血
  • 痛みが増してきた
  • 今までよりも量が増えた
  • 今まで出なかった血液のかたまりが出る
  • 出血から異臭がする
  • 発熱を伴う

などの症状が現れた場合は、胎盤ポリープや子宮動脈仮性動脈瘤などが考えられますので、病院を受診しましょう。

病院は何科?

病院に行く場合は、何科に行けばいいでしょうか。
ママ
先生(男性)
基本的には、産後の出血には、出産した病院を受診しましょう。

出産した病院が遠い場合は、近くの婦人科または産婦人科を受診しましょう。

特に、出血が多い、気分がすぐれない際には、緊急性が高いです。この場合は、先に医師に電話連絡をして指示を仰ぎましょう。また、出血量が異常に多い・意識がないという場合には、救急を受診してください。

婦人科を探す

【ケース1】大量の鮮血が出た

真っ赤な鮮血が大量に出ました。原因は何でしょうか?
ママ
先生(男性)
急に体を動かしたり、授乳中に子宮の収縮が進んだりすると一時的に悪露の量が増える場合もあります。

対処法

一旦、ナプキンを当てて安静にして、様子を見てください。
痛みもなくおさまるようであれば、悪露の一時的な症状だと考えられます。

【ケース2】出血を繰り返す

 悪露が再開したような感じです。
出血を繰り返すとき、原因は何でしょうか…?
ママ
先生(男性)
胎盤ポリープ子宮動脈仮性動脈瘤などといった病気の症状かもしれません。

対処法

先生(男性)
いずれの場合も、緊急性が高い状態です。
早急に出産した病院に受診しましょう。

胎盤ポリープの場合、最も確実な治療法は子宮摘出です。しかし、子宮温存を強く希望する場合には、子宮動脈塞栓術や子宮鏡下手術などの保存的治療が 選択されます。

子宮動脈仮性動脈瘤の場合は、動脈塞栓術を行います。

【ケース3】産後の性行為の後の出血

産後の性行為の後、出血しました。
ママ
先生(男性)
出産後の性行為での出血は、膣の損傷によるものが多いです。

出血は少しずつ減り、痛みがあっても7日間程度でおさまると思います。しかし、それ以降も痛むようであれば病院を受診しましょう。

対処法

出産直後は、膣も傷ついています。免疫力も低下しています。細菌感染を防ぐためにも出産後の1か月健診で異常がないと診断されるまでは、性行為はお休みしてください。また、出産後は、妊娠前と体の感覚が変わり、違和感がある人も少なくありません。性行為で強い痛みを感じる人は、病院を受診して相談しましょう。

【ケース4】生理の出血が止まらない

産後の生理が始まってから、2週間も出血が止まりません。
ママ
先生(男性)
出血が2週間も続くのは異常です。婦人科を受診して下さい。

産後の生理は、ホルモンがまだ不安定だということもあり、妊娠前の生理と症状や状態が変わることは多くあります。また、生理が長く続く原因も同様で、ホルモンのバランスが関係している場合があります。産後の生理は、同じような長い生理が続いたり、逆に量が少なかったり、周期が不安定で定まらなかったりする場合もあります。

対処法

腹痛や出血量が治まるようであれば、問題ないと思われますが、出血量が増えている・継続して痛みがある場合は、別の病気が考えられます。婦人科を受診しましょう。

参考
出産した女性が本当にしておきたい産後ママの心と体をケアする本/池下育子,宗田聡,原田優子,吉岡マコ(日東書院)
日本産科婦人科学会誌 2007年10月 59巻10号
D.産科疾患の診断・治療・管理Diagnosis, Therapy and ManagementofObstetrics Disease 3.分娩の生理・産褥の生理Physiology of Labor and Puerperium

※記事の内容は公開日時点の情報です。公開後の状況により、内容に変更が生じる場合があります。

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