なぜ？1年も永久歯が生えてこない。放置すると虫歯や歯並びに影響も

「1年も永久歯が生えてこない」原因を、お医者さんに聞きました。

このままだと、歯並びがガタガタになってしまう可能性もあります。
治療についても解説するので、しっかり読んでくださいね。

監修者

菊地 由利佳 先生

経歴

歯は健康に欠かせません。
美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

なぜ？「1年も永久歯が生えてこない」原因

主な原因として

1. 先天的に、永久歯がない
2. 永久歯が何らかの影響で出てこない

の2パターンが考えられます。

1. 「先天的に、永久歯がない」ケース

生まれつき永久歯がない状態を「先天的欠如」と言い、珍しいことではありません。

小児歯科学会が行った調査では、約10人に1人の子どもが親知らずを除いた永久歯に先天的欠如があったそうです。

先天欠如は、下の歯にみられることが多いです。
第二小臼歯（前歯から数えて5番目の歯）や側切歯（前歯から2番目の歯）に多く見られます。
歯1本だけでなく、両側や上下の同じ歯が先天欠如していることもあります。

2. 永久歯が何らかの影響で出てこない

何らかの影響で永久歯が出てこられない状態を「萌出障害（ほうしゅつ障害）」と言います。

永久歯が出てこない場合、

• 永久歯が生えるスペースがない（顎が小さい）
• 永久歯に生えてくる力がない（埋伏歯）
• 永久歯が曲がって生えている

といった原因が考えられます。

永久歯が生えるスペースがない（顎が小さい）

顎の成長が遅い・顎が小さいという理由で、永久歯の生えるスペースがないと、永久歯は生えてくることができなくなってしまいます。

永久歯に生えてくる力がない（埋伏歯）

歯が骨の中に埋まって、生えていないことを埋伏歯と言います。
顎が小さく、永久歯が生えるスペースがないことが原因で、永久歯が生えてこない状態です。

親知らずや八重歯などで起こることが多いです。

永久歯が曲がって生えている

永久歯が生えるスペースがないと、永久歯は何とか生えてこようとして、本来とは違う方向で生えてくることがあります。

また、歯になる前の歯胚の段階で外傷を受けたなど、問題があると歯が曲がった方向や、本来と違う位置から歯が生えてくることがあります。

生えてこないまま放置すると…

生えてこない場所のスペースを埋めようと他の歯が動いてしまい、永久歯の歯並びが悪くなる可能性があります。

前歯の並びが前後にガタガタになる（叢生：そうせい）の原因にもなります。

歯並びが悪いと見た目だけでなく、噛み合わせに影響しますし、虫歯・歯周病リスクが高くなります。

なるべく早めに、歯科受診を！

早めに原因を知ることで、治療計画を立てることができ、治療の選択肢が広くなります。

乳歯と永久歯の歯が生えかわる時期を利用して正しい歯並びを形成する治療を咬合誘導といいます。これは生えかわる時期にしかできない治療です。

大人になってから矯正をすることもできますが、歳をとるほど骨は固くなるため、歯は動きにくくなり埋伏歯を引っ張り出すことや、埋伏歯の抜歯が困難になることがあります。

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歯医者さんでは「どんな治療をするの？」

生えてこない永久歯が「①先天欠如」なのか「②埋伏歯」なのかによって治療方法が異なります。

①先天的欠如の治療法

• 矯正で歯を動かし、スペースを埋める
• ブリッジやインプラントなどで先天欠如の歯を補う

②萌出障害（ほうしゅつ障害）の治療法

• 矯正で埋伏歯の生えるスペースを作り、埋伏歯をけん引して引っ張り出す
• 矯正での治療が不可能であれば、埋伏歯を抜歯する

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