母乳性黄疸とは。いつまで?見分け方は?授乳継続や日光浴も【医師監修】

母乳性黄疸とは。いつまで?見分け方は?授乳継続や日光浴も【医師監修】

公開日:2019-08-28 | 更新日:2022-09-05

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生まれたばかりの赤ちゃんの肌が黄色くなった・・・!
母乳育児中の場合、それは「母乳性黄疸」かもしれません。母乳性黄疸がいつまで続くのか、原因と対処法や病院にいくタイミングをお医者さんに聞きました。

荒牧 竜太郎 先生

監修者

荒牧内科

院長
荒牧 竜太郎 先生

経歴

1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業

母乳性黄疸とは?

先生(男性)
病的な黄疸ではありません。
母乳育児中の新生児にあらわれやすい黄疸です。

新生児は赤血球が作られる量が多く、赤血球の寿命も短いため、一時的に黄疸が出ることがあります。母乳育児をしていて、生後2週間を過ぎても、黄疸が続く場合は、母乳性黄疸が考えられます。

母乳性黄疸はいつまで続く?

母乳性黄疸はいつまで続きますか?
ママ
先生(男性)
1~2週間程度で落ち着きますが、数ヶ月と長く続く場合もあります。

数値基準

黄疸の原因となるビリルビン数値が高い場合、基準の数値を超えそうな場合は治療が行われます。正期産児では一般に、18mg/dL(308μmol/L)が閾値と考えられています。
(ビリルビンについて詳しく知りたい方は、一番最後の段落をご覧ください。)

授乳は継続してもいい?

 
母乳は続けても大丈夫でしょうか?やめるべきでしょうか?
ママ
先生(男性)
母乳育児を継続して問題ありません。

母乳性黄疸であれば、母乳を中止すると、ビリルビンの数値は下がることがわかっていますが、病的なものではないので、母乳を中止する必要はないと考えられています。続けて構いません。

母乳をたくさん飲ませるとビリルビンは、便に排出されていきますので、母乳回数を増やしてあげると早く黄疸が良くなる傾向があります。

ママの食事について

母乳を続ける場合、ママが気を付けることなどありますか?
ママ
先生(男性)
水分を多く取り、バランスの良い食生活を心がけましょう。

母乳をたくさん出して飲ませてあげるのが、黄疸をよくする手段でもあります。母乳が出るように食事をとりましょう。

日光浴について

日光浴が「母乳性黄疸」の改善にいいと聞きました。どのくらい日光にあてるのがいいのでしょうか?
ママ
先生(男性)
部屋の中に入ってくる日差しを20〜30分程度あてれば十分です。

新生児に直接日光を浴びさせるのは控えましょう。暑いときなどは、時間を短めにしてくださいね。

病院の受診目安(病的黄疸との見分け方)

「母乳性黄疸」と「病的黄疸」。どうやって見分ければいいのでしょうか?

「便の色」をチェック

赤ちゃんが白っぽい、クリーム色といったウンチをしたら、胆汁が出にくい胆道閉鎖症などの病気が考えられます。

「黄疸の様子」をチェック

病院を受診したほうがいい基準を教えてください。
ママ
先生(男性)
以下の症状がある場合は、別の疾患が考えられます。一度受診しましょう。
  1. 黄疸の症状が強くなっている、黄疸の色が強い
  2. 元気があまりない
  3. おっぱいをあまり飲まない
  4. 2週間以上経っても症状が変わらない
  5. 全身(腹や背中)にも黄疸が出ている

同じく病的な症状である可能性がありますので、病院を受診して検査を受けてください。

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母乳性黄疸の治療

治療基準・治療方法

病院で必要があると判断されれば光線療法が行われます。治療器から出る光が当たると、ビリルビンが体外に排出され、数値が減ります。

黄疸の原因「ビリルビン」とは?

黄疸は、ビリルビンが増加する事で発生します。血液中の赤血球は、全身に酸素を運ぶ役割があります。この赤血球が、古くなり脾臓で分解されると「ビリルビン」と言う物質ができます。ビリルビンは血液の流れに乗り、肝臓に運ばれてから胆汁の中に排出されます。ビリルビンは、肝臓に運ばれる前のものを「間接ビリルビン」、肝臓で処理が行われた後のものを「直接ビリルビン」と言います。新生児にみられる黄疸の多くは間接ビリルビンが増加することによるものです。

ビリルビンは黄色い色素なので、体内のビリルビンの量が過剰になると皮膚・目などに沈着して、それらが黄色く見えるようになります。この状態を「黄疸」と呼ぶのです。

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