なぜ？「10ヶ月なのに歯が生えない」赤ちゃんの歯が生える前兆・病気の可能性についても

なぜ子どもが10ヶ月になるのに歯が生えないのでしょうか…？
歯が生えるのが遅いのは「栄養不足」「障害」のせいかもしれません。

考えられる原因や、平均的な乳歯が生える時期を歯医者さんが解説します。
離乳食で気をつけることや歯科への受診目安も詳しく紹介していきます。

乳歯が生える時期は月齢6～10ヶ月くらい

乳歯が生えてくる時期の平均は、生後6〜10ヶ月頃です。
ただし、歯が生える時期には個人差があります。

なぜ？10ヶ月なのに歯が生えてこない原因

生後10ヶ月で歯が生えていないのは、珍しいことではありません。
遅い子どもの場合、1歳を過ぎても生えてこないこともあります。

歯が生える時期は、胎児の頃の体の育成の度合いによって差が出ます。個人差のあることなので、ほとんどの場合は、何か支障があって遅れているわけではありません。「低体重」、「早産」などの場合は、歯が生えるまでに時間がかかる場合もあります。

身長・体重の成長が平均を大きく下回っていなければ、歯が生えてくるのが遅くても過度に心配しなくて良いでしょう。

また、赤ちゃんの頃の成長は、個人差が大きいので歯が生えるのだけが遅いという子どももたくさんいます。身長・体重の増加が遅かったり、歯の成長具合について不安がある場合は、１歳半健診のときに歯についても相談してみると良いでしょう。

1歳半を過ぎても全く生えてくる予兆がない場合は、一度歯科に相談してもよいでしょう。
なお、乳歯が生え揃うのは3歳くらいまでが目安となっています。

歯が生えるのが遅いのは「栄養不足」「障害」のせい？

「栄養不足」や「障害」があると歯が生えるのが遅いと聞きました。本当でしょうか…？

赤ちゃんの栄養不足が、歯の生えるスピードに直接の影響を及ぼすとは考えにくいです。
また、一概に障害の特徴と歯が生える速度を結びつけることはできません。

発達障害・知的障害は生後10ヶ月の時期には分かりませんし、そのような特徴を持つ子どもでも歯が生えるのが早い場合もあります。

歯が生えてくる前兆は？

歯が生えてくる前兆には、

• よだれが増えた
• 口に手を入れる、指をしゃぶるなどが増えてきた
• おもちゃ、絵本などのものをしゃぶりたがる
• 機嫌が悪いことが増えてきた

などがあります。

下の前歯2本から生えてくることが多いです。

乳歯が生えてくるのを促すことは可能？

歯を生えさせるためだけに、食事を強化したり運動させたりするというのは難しいです。

身長や体重などが違うように、歯の生えてくるスピードにも個人差があります。
保護者の方は、体の成長全体に目を向けて、食事や運動などを今まで通り行ってください。

離乳食で気をつけることは？

10ヶ月ごろは、通常まだ奥歯がないので、離乳食は指ですりつぶせる程度のものが適当です。

その後、離乳食に慣れて、

• 舌が上手に動かせるようになった
• おすわりが安定している
• 口を動かして奥歯が生えてくる場所を使えている

という場合は、少しずつ噛むことを意識したメニューに移行します。

その子に“必要な離乳食”と“歯の生える時期”は、ぴったりと合うものではありません。基本的に、歯が生えていなくても、月齢に合わせた離乳食を進めましょう。ただし、前歯が生えていない場合は、前歯がないと噛み切れないものは避けましょう。

離乳食では、「顎を使う練習」を行なっているので、まずはそこに焦点を合わせて食べさせましょう。「もぐもぐ」と口と顎を動かす動作は、歯茎の刺激になり、歯に良い影響を与えます。

1歳6ヶ月を過ぎても生えてこなかったら…

1歳半を過ぎても歯が生えてこない場合は、

• 乳歯萌出遅延
• 乳歯の先天性欠如

といった原因が考えられます。

それぞれ解説していきます。

原因①　乳歯萌出遅延

乳歯萌出遅延とは、乳歯はあるのに、生えてこない状態のことです。

「くる病」、「先天性甲状腺機能低下症」などの全身疾患、または乳歯がもともと少ない「先天欠如」といったものが原因として考えられます。

永久歯に影響する？

乳歯が生えてこない場合、人によっては永久歯が足りなくなる、「先天性欠如歯」になることもあります。

歯並びへの影響は？

歯が足りないことにより、歯と歯の間に空間ができて、すきっ歯の見た目になります。

歯医者での治療法は？

歯が埋まってなかなか出てこない場合は、切開して出します。

歯が足りない場合は、矯正して歯並びを整える、空いている箇所にインプラントや入れ歯を入れるなどの治療も可能です。

原因②　乳歯の先天性欠如

乳歯の先天性欠如とは、もともと乳歯が作られずに欠如している状態のことを指します。

永久歯に影響する？

乳歯が作られなくても永久歯が生えてくることはあります。
病気ではなく、形成異常なので、引き続きそのあとの永久歯も生えないとは言い切れません。

歯並びへの影響は？

欠如があると歯並びが悪くなることがありますが、乳歯であれば永久歯に生え変わるタイミングまで様子を見ていくことが多いです。

歯医者での治療法は？

永久歯が生えやすいように「顎を広げる矯正治療」などが行われます。

1歳6ヶ月を過ぎても生えてこなかったら…歯科へ！

1歳半を過ぎても全く歯が生えてくる兆しがないという場合は、一度、歯科に相談してもよいでしょう。

この時期に健診がある自治体も多いので、そこで相談してみましょう。

歯が生えてこないのに2歳～3歳まで放置していると、隠れた病気を見逃してしまう可能性があります。

また、病気の発見が遅くなるといつまでも柔らかいものしか食べられないので、顎の発達が遅れ、「言葉がうまく出ない」、「栄養が補給しにくい」などの弊害が出ることが考えられます。１歳半頃には一度確認してもらいましょう。

歯医者での診察の内容

歯茎を歯科医が診察し、状態を確認します。
顎を動かせているか、歯が生えそうな兆しがあるかなどを確認してもらえます。

受診時に伝えると良いこと

• 親族に歯の先天的欠損があるかどうか（遺伝の可能性）
• 離乳食が進まないといった心配事
• 顎の動きにおかしいところがないか
• 言葉が出ているか

などをまとめておき、受診時に医師に伝えましょう。

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