乳歯の根っこが残る「きれいに抜けなかった」ときの対処法【歯科医監修】

乳歯が抜けた！
…と思ったら「歯の根っこの欠片が残ってる？」

歯の生え変わりの時期に、乳歯のかけらが残ってしまうことがあります。
歯がきれいに抜けなかったときの対処法を、歯医者さんがわかりやすく解説します。

「乳歯の根っこが残る」なんてことがあるの？

乳歯が抜ける際に割れて、乳歯の歯の根がそのままになってしまうと、乳歯の根っこだけが抜けずに歯茎に残る場合があります。

「乳歯の根っこが残っている」のはどんな状態？

乳歯が抜けた際に、「割れて残った歯が歯茎に見えるが、歯茎から取る事ができない」状態です。

また、「抜けた歯が割れているように見える」場合でも、歯茎に根っこが残っている可能性が考えられます。ただし、抜けた乳歯の形がおかしい・割れているように見えても、全ての場合で乳歯の根っこが残っているわけではありません。

乳歯は、下からできてきた永久歯によって根元を溶かされて生え変わるので、歯の根っこは溶けている形で抜けます。そのため、抜けた歯の形だけで判断するのは難しいです。

応急的な対処法

歯の根っこが残ったとき、どう対処すればいいですか…？

歯茎の痛みや腫れなどが無いようであれば、基本的にはそのままにして様子をみても問題ありません。

これは避けよう！

“歯茎”や“乳歯が残っている部分”に触れないようにしましょう。

歯が抜けた“歯茎の部分”や“乳歯が残っている部分”を指や舌で触ると、歯茎が炎症を起こしてしまい、痛みが出てしまうことがあります。

待っていれば…自然にとれる？

残った歯の根っこは、永久歯の影響や歯茎に押し出されて、自然にとれる場合がほとんどです。

自然にとれる場合は、1・2週間～1ヶ月程度で取れるでしょう。
ただし、状態によってはすぐに歯医者さんを受診したほうがよい場合もあります。

歯医者さんに…いくべき？

「歯茎の腫れや痛みがある」場合は、すぐに歯科で診察を受けるようにしましょう。
また、「１週間ほど様子をみても乳歯の残りが取れていない」場合も、一度、歯科で診察を受けましょう。

歯科の受診を「おすすめする理由」

歯科を受診することで、

• 歯茎の炎症や炎症による体への影響
• 永久歯への影響

を防ぐことにもつながります。

歯茎の炎症や炎症による体への悪影響

歯科での治療で雑菌の侵入を防ぎ、歯茎の炎症を起こすのを防ぐことができます。
歯茎に炎症が起こると、

• 噛む事に力を入れられなくなる
• 硬い食べ物を避ける

硬いものを食べないと

• 栄養の偏りが起こる

などの体への影響も考えられます。

永久歯へ悪影響

残っている乳歯の根っこが大きいと永久歯の生え変わりに影響を及ぼし、永久歯が曲がって生えてきてしまう事もあります。
また、取れずに残ってしまっている乳歯の根っこに虫歯があると、
下に出てくる永久歯も

• 虫歯になる
• 変色する
• 形が歪む

などの影響が出ることも考えられます。

歯茎に「しばらくたってもまだ全部抜けていない」乳歯の残りがある場合は、歯科で診察を受けましょう。

歯医者を探す

歯医者さんでの治療方法

レントゲンを撮影して、歯茎の中の状態を確認します。その後、残っている歯が邪魔になって歯茎や永久歯に悪影響があると判断された場合は、乳歯の残りを取り除きます。

通常、部分麻酔を行うので治療の痛みはありません。

治療費の目安

乳歯の生え変わりで残った乳歯の根っこ治療は、通常保険適用となるため一般的には2000円〜3000円程度です。

ただし、各自治体からの医療費補助がある場合はその分も補助されるため、自己負担はありません。

乳歯のケアは永久歯にも影響します。
少しでも心配な場合は、歯医者さんに診てもらいましょう。

歯医者を探す