乳腺炎のしこりの取り方|マッサージのやり方は?葛根湯を飲むのは?

乳腺炎のしこりの取り方|マッサージのやり方は?葛根湯を飲むのは?

公開日:2021-02-18 | 更新日:2022-09-12

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乳腺炎のしこりが取れない…!
乳腺炎のしこりは、乳房の中で母乳が停滞している状態です。

お医者さんに、しこりをとるためにできることやマッサージのやり方を聞きました。

「乳がんのしこりとの違い」「乳腺炎の病院に行くタイミング」についても解説します。

松本 華英 先生

監修者

いとう新検見川クリニック

松本 華英 先生

経歴

日本外科学会 専門医
いとう新検見川クリニック

KAJITAKU

乳腺炎のしこりの取り方

乳腺炎のしこりがなかなか取れません
どうすればいいでしょうか…?
ママ(困り顔)
先生(女性)
しこりは、母乳が滞っている状態です。
基本的な対処は、授乳回数を増やし、赤ちゃんに母乳をたくさん飲んでもらうことです。それでもまだ溜まっているときには、搾乳をしましょう。

また、母乳の出が悪いときは、ママが水分補給乳頭マッサージを行い、母乳の出をよくしましょう。

軽度~中等度の乳腺炎であれば、母乳を出していれば、次第に快方に向かうことが多いです。

“軽度”の乳腺炎の目安

  • 乳房を触ると、一部が硬く感じる
  • 硬くなっているところを押すと痛い
  • 乳房が硬くなり、赤みを帯びる

“中等度”の乳腺炎の目安

  • しこりがある
  • 何もしていなくても痛い
  • 乳房の一部が、赤く腫れている
  • 乳房をマッサージしても、硬いまま

“重度”の乳腺炎の目安(※病院へ!)

  • 高熱がでる(38度以上)
  • 乳房全体が、赤くはれ上がっている
  • 黄色くて臭い母乳が出てくる

マッサージのやりかた

マッサージ

乳房マッサージのやり方

先生(女性)
母乳の滞りを解消するために、しこりから乳頭方向へ優しくなでるようにマッサージしましょう。

乳頭マッサージのやり方

先生(女性)
マッサージを行なっても母乳が出にくいときは、「乳頭マッサージ」も行いましょう。
  1. 指で、乳頭・乳輪部を圧迫するように押す
  2. 親指・人差し指・中指の3本で乳首をつまみ、クルクルと回すように動かす
  3. 乳首をつまみ、軽く引っ張る

これらの動きを繰り返しおこなっていると、母乳の出が良くなることがあります。

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葛根湯が効くって本当?

乳腺炎には「葛根湯がいい」と聞きました!
どんな効果があるの?
ママ
先生(女性)
葛根湯は、乳腺炎による悪寒・発熱・肩こり・疼痛・乳房の腫れなどを快方に向かわせる働きが期待できます。

母乳のうっ滞(母乳が乳腺の中に滞ること)や初期の乳腺炎には、医師から葛根湯が処方されることもあります。

市販の葛根湯を飲んでもいい?

先生(女性)
乳腺炎の治療として医師から処方された葛根湯は、服用できますが、市販の葛根湯を自己判断で使用をするのはやめましょう。

市販のものは様々な成分を混ぜているものも多いので、必要ない成分まで体に取り込むことになります。母乳からその成分が出て赤ちゃんが不要な成分を取り込んでしまうこともあります。

※ただし、葛根湯の添付文書上では適応に乳腺炎も含まれているので、市販のものでも効く人は効きます。

「痛い」ときのケア方法

乳腺炎のしこりが痛いです…。
どうして痛みがでてくるのでしょうか…?
ママ
先生(女性)
外に出きらずにたまっている母乳の量が多い状態と考えられます。
さらには、母乳が停滞して、乳腺が炎症を起こしいてる可能性もあります。

「しこりが痛い」ときの対処法

先生(女性)
乳房が痛い・熱っぽさがつらいときは、濡らしたタオルを胸に当てて冷やすと楽になります。

ただし、冷やすという方法は応急処置であり、根本的に乳腺炎をなくすことはできません。

根本的にしこり・痛みを治すには、たまっている母乳を出す必要があります。
おっぱいの中にたまっている母乳ができるだけ外に出るように。赤ちゃんにたくさん飲んでもらうように、頻回授乳を行いましょう。また、それでも出しきれないときは搾乳をしましょう。

「しこりを放置」したらどうなる?

先生(女性)
自然と吸収されていくしこりもあります。
ただし、そのまましこりが残ってしまうこともあります。乳腺が固いまま萎縮すると、痛み・違和感がそのまま残る人もいます。

「何日たっても、しこりが硬いまま」、「ケアをしても、しこりが消えない」という場合は、そのままだと症状が悪化することがあります。病院の受診を検討してください。

しこりが悪化すると…膿がたまることも

先生(女性)
乳腺炎のしこりが悪化すると、細菌感染を起こしてしまう場合もあります。細菌感染がおこると、たまった母乳内で膿になっていき、「乳腺膿瘍(乳房に膿がたまっている状態)」となることがあります。

高い熱も出てくるような大きな乳腺膿瘍になった場合、乳房を手術で切開して、膿を取り出す必要があります。

「乳腺炎」と「乳がん」のしこりの違い

「このしこり…もしかして乳がん?」
そう心配になるママも多いです。乳腺炎のしこりと乳がんのしこりの特徴を紹介します。

「乳腺炎」のしこりの特徴

先生(女性)
乳腺炎のしこりは、「硬い」「痛みが強い」「熱感がある」といった特徴があります。

悪化していくと胸全体が赤く腫れてきます。

「乳がん」のしこりの特徴

先生(女性)
乳がんのしこりは、痛みがないことが多いです。
乳房に、「えくぼ(ひきつれたようなくぼみ)ができる」、「ただれができてくる」という場合もあります。

また、左右の乳房の形や大きさなどがバラバラになるといった症状もあります。

痛みがないので気がつかないことも多くあります。
(※ただし、胸が痛いという訴えで病院受診されて、乳癌が見つかる方もいるので、痛いしこりは大丈夫なしこりという認識には注意が必要です)

「乳腺炎のしこり」と「乳がんのしこり」の見分け方

「乳腺炎のしこり」は、主に授乳期に起こります。
乳腺炎の場合は、発症時に痛みを感じます。また、乳房を押すと痛む・乳房に熱感を感じる・発熱・寒気などの症状も現れます。

「乳がんのしこり」は、痛みもなく発症し、いつの間にか進行していることが多くあります。

先生(女性)
乳がん以外にも、「しこりができる病気」はあります。
「なんのしこりか」を見極めのためにも、定期的な検診が必要です。

乳腺炎の病院に行くタイミング

乳腺炎 病院に行くタイミング

先生(女性)
何日たっても硬さがとれない、しこりがなくならない場合は、放置していると症状が悪化することがあるので病院受診を考えましょう。

軽症であれば、赤ちゃんに母乳を出していると次第に良くなります。乳腺炎に気がついたら頻回母乳を行いましょう。

特に、

  • 胸の腫れ痛みが強く、何度授乳させてもよくならない
  • ちくびから黄色い膿のような母乳がでてくる
  • 発熱(38度以上)
  • 寒気
  • 倦怠感

といった症状があり、体調が悪くなってきたときは、早めに病院を受診しましょう。

乳腺炎を放置すると、細菌感染を起こして膿んでしまう場合もあります。日頃からマッサージなどで乳房ケアをするようにしましょう。自分でマッサージしてもよくならない場合は助産師さんに相談するか、乳腺外科への受診も考えましょう。

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